日本絵巻

相撲見物せずして・・・・相撲を語るべからず。
賭博疑惑に端を発し・・・大相撲が揺れています。私としては、ブログで数回に亘り、メディアのヒステリックな報道に、もうこの辺で許してあげたらと思うのですが。
連日のメディア報道・・・・国技のなんたるかを論じ、公益法人のそもそも論を繰り返し、力士を聖人君子のように捉え、かつ、協会改革の必要性を訴え・・・外部理事や役員による運営すべきとかまびしい。
一億総批評家も分かりますが・・・大相撲とはなにかを、本場所で実体験したことのある人が何人おられるのでしょうか?表面だけ見て・・・批判しても良いモノなんでしょうか?疑問が残ります。
そもそも・・・大相撲はそんなに立派なモノなのか・・・人間離れした巨漢が、土俵上で激しくぶつかり合う姿・・・一瞬にして決まる格闘技に目くじら立てて大騒ぎする必要がどこにあるのか。
あるとするならば・・・・戦いの瞬間に向け、粛々と繰り広げられるしきたり、その伝統を守り続けるところに大相撲の妙味・醍醐味があるのだと思っている。
勝負審判の入場・・・弛緩していた場内が凛と締まる。土俵入りの華やかさ。中入り後が始まる・・・拍子木が打たれ・・・呼び出しがしこ名を読み上げる・・・・控え力士の大きな身体に緊張が走る。土俵に上がる・・・観客から贔屓力士の名前がこだます。烏帽子に侍装束の行司が両者を裁く。茄子紺の回しに大銀杏。裸男の肌が、仕切りを重ねるうちに赤く染まる・・・。
その間・・・土俵下では・・付き人の若手力士が・・・次の出番の座布団とおしぼりを呼び出しに渡す。懸賞金の垂れ幕を土俵で回す呼び出しが列をなして待機する・・・。外国力士を応援するのだろう・・・中国語の垂れ幕を振る観客。徐々に、徐々に館内が盛り上がてくる・・・
時計係の審判の右手が・・静かに上がる・・・・館内の目が一斉に力士にそそがれる・・・・贔屓力士への掛け声が四方八方からあがる・・・行司が軍配を返す・・・のこった、残った・・のこった・・・。
何ときれいなコントラストか・・・これぞ日本の文化・伝統美だ。頭からぶつかりあう「ガッン」、張り手が炸裂する「パチン」とした音が館内に響く・・・大歓声の中・・・勝負が決まる。行司が勝ち名乗りを。力士が蹲踞して、荒い息を落ち着かせながら…頭を垂れる。
勝った力士は胸を張り控室にと下がり、負けた力士にも観客からは惜しみない拍手が鳴る・・・・。すべてが・・・美しい日本絵巻である。本場所に足を運ばなければ大相撲は分からないと思う。
今年も名古屋場所を見物してきました。客の入りは・・・イマイチでしたが・・・騒動のおかげなのかもしれませんが・・・・関係者の場所を何とか維持し、盛り上げたいとの熱い思いがひしひしと伝わりました。
どの一番も・・・迫力があり・・いい相撲の連続・・・大相撲を堪能しました。              Goto
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華やかな土俵入り・・・・相撲は日本絵巻です。

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