食文化雑感

富と権力の集中がもたらす・・・・華美・・・。
文化の日だからという分けではないのですが・・・・食欲の秋、味覚の秋ですから・・・食文化について考えてみます。世界で一番食文化が栄えた国はどこだと思いますか?
そうです。中国ですね。かれこれ・・・・40年近く前。当時勤めていた日本社会党の岐阜県本部書記時代です。勿論・・日本と国交が結ばれて間もない頃・・・訪中するのは大変な時代です。
当時・・・中国共産党が全国の社会党系青年活動家を毎年招待する催しが行われていました。その年・・・私が岐阜県から参加することになり・・・3週間の中国視察に・・・・。今でもその時に副団長を務めた方とは交流があります。
その際・・・最初の訪問地・・北京で4日間足止め。共産党の招待ですから・・・好待遇。北京大飯店に宿泊・・・・連日・・・三食とも中華料理三昧(中国にいるのですから当たり前ですが)でした。それも・・・一度も同じ料理が出なかったのが・・・驚きでした。
料理長に聞いた話ですが・・・北京飯店では、約3000種類のメニューがあって・・・3年間は毎日違う料理を提供できるとのこと・・・・。なぜ・・・そんなに食文化が発達したのか?その時には答えが出ませんでしたが・・・。
後になって・・日本料理の変遷過程を知って・・・成程と納得した答えが得られました。
食文化は・・・・権力と富の集中によって発達する。中華料理は・・・そもそもが宮廷料理です。中国5千年の歴史は、中原に鹿を追う・・・権力闘争の歴史でもあります。権力を握った者が・・・富を独占します・・・富を得たモノが・・・望むのは華美です。その極めの一つが・・・・食の華美です。それが中国で食文化が栄えた理由です。
余談ですが・・・日本料理も・・・その原点は京料理。宮廷料理です。日本の場合は中国ほどの富も権力集中しなかったがゆえに・・・世界的に評価される食文化にはなっていないのだと思います。
ただ・・・自分で納得している食文化・・華美論ですが。一つだけ、富も権力も集中したのに・・・食文化が全く発達しなかったんではと思われる先進国があります。
私だけかもしれませんが・・・イギリスです。あの国で・・・美味いモノを食べたことがありません。そもそもイギリス人には味覚が無いのではと思うほどです。富も権力も集中した時代があったのに食文化が発達していない国の代表です。
なぜなのか・・・・・食は「腹が膨れて・・・栄養になればよい」・・・食は文化ではなく「生の糧」というイギリス式の合理主義からきているのでしょうか・・・・でもロイヤルファミリーは華美ですよね・・・。
富にも権力にも縁のない・・・田舎のおっさんの食文化は・・・・脂の乗っ秋刀魚を目指で丸め・・七輪で焼いて、大根おろしに酢橘を添え・・・文化功労章に輝いた我らが・・アイドル・吉永小百合さんの・・・あの当時(訪中した頃)の映画を見ながら・・ぬる燗の日本酒でちびりちびり・・・が一番です。           Goto

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