CM天気図

商業メディアの世界は・・・そんなに甘くないですよ。
毎週水曜日の朝日新聞朝刊に天野祐吉さんが「CM天気図」と題したコラムを書いている。
広告の仕事に携わるモノとして・・・テレビCMが放つ役割や社会的な影響力を鋭く分析、天野さんらしい、天邪鬼的発想で抉る内容が楽しい。
「ガンバレ東北」とか「日本をつなごう」といった大震災への思いも・・・そろそろ次の段階に移るべきではないか。とりわけ、風評被害で客足が止まってしまった観光産業の支援を・・・JR東日本やACがテレビCMを通じて積極的に遣ってはどうか・・・
それも・・・観光客の訪れを切望している観光地と組んで・・・。そして、それらの被災地支援CMに限っては、テレビや新聞の広告料金をうんと安くしてはどうか・・・・いまのマスメディアの料金は高すぎて、大企業や団体でなければ広告に手も出せない・・・
そもそも・・・マスコミは広く人々の声を救いあげるのが本来の役目。広告の面でも人々の心がもっと反映されても良い。事ある時に広告を出したい場合は大企業のメニューよりも安い、別の料金設定があって当たり前じゃないだろうか?
大震災以降・・・マスコミは、いま日本という国のあり様を再考しようと呼びかけているのだから、この際、広告料金のほうも再考したらどうかな・・・・・とコラムは語ってます。
天野さんって、広告業界の大御所のわりには・・・案外・・広告料金についてはご存じないのかなーと、思ってしまいます。最近でこそ、新聞の広告料金は値崩れを起こし、一体全体・・・何を基準にしているのかよく解らなくなりましたが・・・・そもそも、緊急をようする広告の場合は・・・高く設定するのが業界の趨勢です。
例えば、ナショナルが20年前に発売した石油ストーブに不具合が見つかり、リコールを全国的に呼びかけたことがあります。その際・・・メディア界と広告業界では特需が起こったと大騒ぎでした。そうです。ナショナルは回収のため数100億の広告費をつぎ込みました。
通常ならば定価の20%とか30%が販売料金になるのですが(おかしな商習慣です)、このような臨時モノと称する広告の場合は・・・・定価通りに請求します。だから、業界は大特需となったのです。新聞もテレビも同様です。
ですから、天野さんのおっしゃるように・・・・被災地復興支援のための観光客誘致の広告を臨時で、大量に発注すれば・・・法外な値段を請求されます。間違っても、割安とか格安の料金にはなりません。
業界の大御所がそのことをご存じじゃなくって、コラムを書かれたのならば・・・ノー天気図ってことになりますし、すべてをご存知で、被災地支援に限って・・と提言されたとしたならば・・・的外れな天気予報と言わねばなりません。    Goto

コメント

  1. Goto より:

    メディアの経営者に哲学があるんでしょうか?私には奢りしか感じないのですが?例えば、社内人事で監督を変えるとか?バカ笑い番組を否定しながら、広告出稿にニンマリだとか?酷い話が預かった義援金の経費が半分だとか?とても、信じられない話が多過ぎますね。Goto

  2. リミスキー より:

    この問題は、メディア自らが血を流さないと出来ないでしょうね。紙面なりコマーシャルの枠が存在しない限り、どんなに崇高なことを言っても物理的に無理なんですから・・。新聞協会なり民放連なりが基本方針を出せばいいのでしょうが、多分まとまらないので、各社各局の自主的なムーブメントを積み重ねることかと思います。各社のトップの気持ち一つで動くような気もしますが、結局は経営哲学がちゃんとしているかどうか?なんでしょうね。