オピニオン

如何に歴史を辿って分析しても、陳腐な提案では・・・・。
新聞もやっと、2012年が始動したのか。火曜日から各紙とも、社説だとか、論説、オピニオンの紙面で、日本の危機について、真面目に論じ始めたようだ。
10日付。朝日新聞の座標軸。1面に明日の社会に責任をもとう「日本の自殺を憂う」。オピニオンのページには「70年代を悔やむ」と二頁にわたり主筆名で明日の日本社会に論陣を張った。
丁寧に読んで見たが、どうも、しっくりしない。いやピンと来ないと言った方が良い。
まず、「明日の社会に責任をもとう」と見出しを付けた一面では、高度経済成長で福祉や平等、利便を求め自立精神を失い、政治はそれに迎合、赤字を増やす現況は、日本の自殺だ。と1975年文藝春秋2月号に掲載された保守派学者の論文を引用して・・・・
バブル崩壊から20年。国の借金が瀬戸際まで膨れた今「日本の自殺」がかつてなく現実味を帯びたと感じられる。野田政権が「社会保障と税の一体改革」で消費税増税の具体化に踏み出した。これを潰してはならないと、増税支持を明確にした。
そして、新幹線3区間の凍結解除など公共事業の復活は財政悪化をさらに招く。かの論文の轍を踏むのか。後世への負担を減らせ。貧富の差にも手を打てと、朝日らしい締め方で結んでいる。
高度経済成長を背景に、バブル崩壊後も国民の代弁と称し、国家財政の危機など顧みもせず、際限のない福祉政策を煽り、社会保障を絶対的なモノとして、借金財政を放任して来たのは誰か?紛うことなく。それは、朝日新聞ではなかったか。
オピニオンでの「70年代を悔やむ」でもあれだけ自民党政権を批判してきた朝日が、79年刊行の自民党の「日本型福祉社会」を賞賛するさまは異常と言わねばなるまい。
そして、提言。
  1・財政再建への道筋を描け。
2・社会保障の設計作り直せ。
3・子育て世代を支援し、貧富や格差の是正をはかれ。
新エネルギーの開発によって脱原発を推し進めよ。
4・経済を活性化させよと。
これが、朝日の主筆の日本社会への提言だと?なんと、無邪気な。なんと、陳腐な。なんと、形式的な。なんと、前時代的な。これがこの国のオピニオンを自認する天下の朝日新聞の提案。
私は半藤一利氏原作の連合艦隊司令長官山本五十六の映画を見た。
日米開戦をあれほど、煽りに煽った大新聞が、敗戦とともに民主主義たれと、戦時中とは真逆の見出しをデカデカと掲載するエンディングのシーンが頭から離れない。Goto

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