日本企業が抱え込んでいる200兆円を吐きだせ、だと。
朝日新聞の経済音痴には呆れる。内閣府が17日に発表会した12年1~3月期の国内総生産(GDP)の速報値で、実質GDPが10年10~12月期に比べ1・0%増(年率換算で4・1%増)だったとの発表に対しての21日付け社説。かつてないほどのピンボケ。
経済が分かる政治家がいない日本国民の不幸。同様に、経済が分かる記者がいない朝日読者の不幸。そう言っても過言ではない。
なぜ、今年の1~3月期のGDPが伸びたのか。理由は二つしかない。一つは、復興需要。20兆円の復興予算を組んで被災地に投下しているのだから。公共投資が大幅にプラスになるのは必然。エコカー補助金と震災被害で車を始めとする耐久消費財の需要が高まるのも当然。
もう一つは、昨年は大震災とバンコックの洪水によって、輸出産業が打撃を受けたが、時と共に、正常に戻ったのだから。輸出が伸びた。だから、現実は昨年よりは伸びた。が、一昨年には戻ってないのが情況である。浮ついた伸びでしかない。
朝日の社説は、政府は景気が回復しつつあると判断した。だとすれば、日本企業が抱え込んでいる現金や預金200兆円を労働者に還元せよ。投資に回せ。税をもっと払え。でなければ宝の持ち腐れと論じる。これって、大企業優先の政治を改め、国民本位の政治に変えようと主張する赤旗ではないか?
更に、企業はリスクに怯えるな。縮こまるな。それではデフレ脱却は望めぬ。と日本経済のデフレの責任は企業にあると断じている。経済のグローバル化。金融資本の国際化。それによって生じる円高。株安。新興国の追い上げ。そんなこととは無関係。たかが3ヶ月、実質成長率が1・0%伸びただけで・・・・不況の原因も企業にあると。お門違いも甚だしい。
そう述べながら。苦境に立ち向かう電気業界には、惰性を断ち切り、グローバル競争に勝ち残れと他人事。テレビなどが売れないのは、国民のモノへの欲求の希薄化が根底にあると、今度は国民のせいに。
そして、極めつけは。地域や家族をバラバラの個人に分解し、消費に駆り立ててきた戦後経済の大転換をはかるベキだと。戦後の経済発展がこの国を崩壊させているとも述べている。この新聞社は、何を考えているのだろうか?
景気が復調したと考えている。だから、悪たる企業は、前に出てきて、抱え込んでいる現金・預金を吐き出せだと。こんな、経済音痴の新聞が、この国で、700万部も売れているのだから。日本経済の復調は、遠いと言わねばなるない。Goto
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