成長戦略

世界最大の海洋国であることを忘れてはいませんか。
成長戦略とくれば、必ず例にだされ、注目度No,1なのが、山中教授のips細胞です。環境と医療が成長産業に位置付けられているのですから。再生医療を成長のエンジンにと考えるのは当然ですが。
私は。養殖の研究開発も、ipsに匹敵する成長分野と位置付けてはどうかと思っています。
大間で獲れたクロマグロが、初セリで、1億5千万の高値を付け。思わず。食卓に並ぶ切り落との(輸入マグロと見比べましたが。
四半世紀も前の話ですが。イスラエルのベングリオン大学を尋ねたことがあります。ベングリオンとはイスラエルの初代首相。そこにはベングリオン墓もありました。ベングリオン大学は砂漠で、人がいかに住めるようにするかを研究するためにできた大学です。
例えば。砂漠でいかに植物を育てるか。農業工法として有名なのは。農学部での点滴灌漑の技術。農地に管を張り、植物の根元にコンピュータで管理された分量の水分を補給する。イスラエルグレープフルーツとか。ナツメヤシはこの方法で、ネゲブの砂漠で収穫され、日本にも輸出されています。
また。水産学部では、砂漠に池を作り、海水を微細藻類の力で浄化循環させ。そこで、マグロの養殖。砂漠に住む人達のタンパク源にする研究などが、盛んに行なわれていました。工学部の壮大な計画では。地中海からパイプを世界で最も標高の低い死海(海抜−400m)まで海水を引き。その落差を利用して電力を起こし、その電力で砂漠を工業化するなど。実現可能かどうかは不明でしたが研究されていました。
砂漠をキーワードに大学が存在することにいたく感激したモノです。
近畿大学の水産学部ではクロマグロを卵から育てる完全養殖に世界で初めて成功。「近大マグロ」のブランドとして京阪神や首都圏で販売されています。これこそ立派なイノベーション。養殖は日本の誇る世界に冠たる技術。良質なタンパク源の供給として、世界に輸出できる成長分野でしょう。
日本は世界最大の海洋国。全国各地には水産試験場が。大学の水産学部が。漁師が。漁業協同組合が、海と向き合っています。海なし県である岐阜県も。鮎の養殖に始まり淡水魚の研究所が幾つかあります。それらは、生き物相手、時間も手間も掛かり根気のいる研究が続けられています。
イスラエルのベングリオン大学ではありませんが。養殖を始め。海と向き合っている研究機関を成長分野と位置付け、少しだけ予算を増やし、開発・開発費に投入すれば、最も日本らしい成長戦略になると思うのですが。Goto

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