なぜ、創業者に感謝の念を抱かないのか?
3月は忙しい。何が忙しいかっていえば。身体ではない。年度末で会社の決算だからである。
年度の垢や塵を整理して・・・そうです、師走の晦日や大晦日に身の回りや心を整理して新年を迎えるべく、やらねばならないことをやらねばなりません。だから、忙しいのです。
今年度のひとつ一つを整理しながら。ふと、整理の手が止まったのは、我が社の澱や汚れではありません。(だって、誰にも、どこからも指を差されることなど、何ひとつないのですから)私が最も尊敬する、あの人が逝去されたことです。
あの人とは、リクルートの創始者、江副浩正さんです。
戦後日本で、誰が一番のアントレプレナーかと言えば。それは名だたる企業を創業した偉人たちでしょうが。本田宗一郎さんも。SONYの井深大さんも盛田さんも、松下幸之助さんも伝説の人ではありますが。いずれもモノづくりの人達です。
第三次産業で、本物のベンチャー経営者といえば。私は誰が何と言おうが。リクルートの創始者江副浩正氏をおいて、他にはないと思っています。彼の時代を読み取る目。発想力。感性。行動力は・・・まさに時代の風雲児。チャレンジャーの鏡です。
ベンチャー企業や立身出世を否定する朝日新聞でさえ、江副さんを「溢れる冒険心が生み出した時代の産物。あのリクルート事件で失墜しても、今もかれが、心血をそそいだ会社が健在であるという意味でも、彼の一代で築き上げた功績は大きい」と評している。
「リクルートコスモス」の事件が彼を失墜させましたが。私は未成熟な金融資本をこの国がどのように判断し、ルールをつくり国際社会に立ち向かわねばならない時だったと思います。しかし。政局に絡む贈収賄事件に歪曲してしまったことが。この国の金融ビックバンの機を逸してしまったのです。
バブル崩壊後の閉塞感漂うデフレ経済を助長させてしまった根本原因ではないかと思います。いずれ歴史がそれを、証明するでしょうが。彼が過酷な裁判闘争に自由を縛られなかったら。日本の第三次産業のあり方も変わったでしょう。政治とメディアが時代の有能な寵児を潰したのが、返す返すも残念です。
江副さんが心血をを注いだ、リクルートが、株式を公開するらしい。
おめでたいことだと思います。その折には私も株を買おうと思いますが。
江副さんの後輩たちに申し上げたい。「何のために」江副さんはリクルートを創業したのか。
リクルートがこの国で、如何なる役割を果たしてきたのか。その、創業の精神を無視して、上場のために上場するなら。残念だが。リクルートはリクルートでないリクルートになってしまうのではないでしょうか。
それでも良いのですが。私は、この国のサービス業の本質を極めんとした時代の風雲児・江副浩正さんを穢さないで欲しいと願います。そして、なぜ、あなた達は、江副さんの死に、何のメッセージを発しないのでしょうか。(発していたらごめんなさい)
3月。今年度の整理をしなが、改めて時代の風雲児。私が最も尊敬するアントレプレナー江副浩正さんの死を悼みます。・・・生前にお目に掛かり薫陶を受けたかった。Goto
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