サッチャー

キリスト教的合理主義って・・・?
日本と欧州とでは死者に対する考え方が違うらしい。日本人は死すれば、すべて仏になる。だから、死者に鞭打つことはしない。仏教の精神からきているのでしょうか。キリスト教は死者を悼むのと、生前の功績を論じるのとは別だと考えているのか?私にはわからないのですが・・・
サッチャーさんが亡くなっての欧州の反応に考えさせられる。
「鉄の女」は「私は意見の一致を求める政治家ではない。信念の政治家だ」と首相になった年に語った。瀕死の状態にある英国病の克服に「大ナタを振るい、対ソ強硬策を通じて冷戦終結の立役者」となり・・・
「市場原理を重視、小さな政府目指す新自由主義(?)の政策潮流」をレーガン大統領とリードしたサッチャリズム。不況克服のため、徹底した民営化を断行、金融・サービス業を重視、基幹産業だった製造業の衰退を招き、失業者の増加と貧富の差を拡大したとの負の評価もあるが、
彼女が政治の表舞台から去って17年。死亡した彼女に対して・・・今尚「救世主か?破壊者か?それとも両方か?」などと議論している英国。下院では「葬儀のために議会を中止するな。国葬として1000万ポンド支出は認められない。サッチャーはチャーチルではない」と死者に鞭打つ発言も多いと聞く。
17日の国葬には欧州統合で対立した独の元首相は「信頼し合える有効的な関係は、一度たりとも築けなかった」と振り返り。仏は「欧州連合創設や通貨統合は国家主権をそこなう」と対立したサッチャーさんを認めず、葬儀に政府派遣を拒んだ。
私は反サッチャーの人達に問いたい。
では、あの英国病に対する処方箋は、他にあったのか。少なくとも、英国の野党にその妙案と行動力がなかった故に、サッチャリズムが生まれたのではないか。批判をするのは簡単である。しかし、製造業の必要性を最も理解していたのがサッチャーじゃなかったのか。でなければ、日産が英国で成功するはずはなかった。
EUは英国が加入しないから、経済危機が訪れているのか?そんなはずはなかろう。
「独は再び欧州支配しようとしている」と批判してEU加盟を拒否したサッチャー。ドイツのEU経済一国集中の現実を予見したと取れないだろうか。
いや。死にあたり・・その人の功績を論じるのは易いこと。でも、今どうなのか。過去の指導者に引きずられているとしたら、何とも情けない話である。国内外の批判を一笑に伏し、86歳のエリザベス女王がチャーチル首相以来、政治家の葬儀に参列する・・・その一点で、彼女の功績は本物だったと思う。
死者に鞭打つのはキリスト教の精神ではなく。排他的合理主義の為せる技と言えないだろうか。
エッ・・・それが、キリスト教的合理主義だって???サッチャーさんのご冥福を祈る。Goto

コメント