恋する豚

手間暇掛けて、モノづくりすることが、原点・・・
新聞はこうでなくっちゃいけないと、納得しています。
毎日新聞、4月からの紙面刷新。活字を大きくして情報量が減れば、購読料金を下げるべきじゃないかと、屁理屈を述べましたが、さすが、毎日様・・失礼しましたと申し上げたい。
新聞命の私としては、ネットの普及で新聞の価値が下がったとの評価に、いやいや、そうではありません。毎日新聞が火曜日にスタートしたオピニオンのページは、素晴らしいです。記者の気概と申しますか、熱を感じます。新聞ここにありです。
4/23付・オピニオンの「論説委員が行く」で野沢和弘論説委員が、千葉県香取市の養豚業者を丁寧に取材、重厚な内容に思わず納得の解説記事でした。そもそも論説委員の仕事は社説を書くこと。政治や経済、社会を読み解き論じることです。
この「論説委員が行く」のコーナーは、掲載した社説の取材現場で感じたことの紹介。つまり、社説を書くに当たっての背景、根拠が証明されています。タイトルは「恋する豚と障害者就労」。養豚業者の廃業が相次いでいるのは、飼育料の価格高騰と安価な輸入豚肉のせいばかりではない・・・
衰退を招いた理由は養豚業自体にあるのではないか。この業者は、エサを工夫して豚の事故率を下げ、努力を重ねている。「同じものを毎日食わされているのは豚だって嫌だろう」「美味しいものを食べ、免疫力を高め、元気に遊び、恋をしなければ豚だって面白くないハズ。それが恋する豚です」と・・・手間暇惜しまぬ姿勢が・・・TPPに抗うことに。
この業者は「就労継続支援A型事業所」として障害者らが豚肉の製造加工を行っている。その製品の販売や食材を使ったレストラン「恋する豚」を営業している。障害者雇用促進法や自立支援法によって障害者の就労は進んできたが。必要なのは制度だけではない・・・
グローバル競争に生き残るために、余分なものをそぎ落として効率化を図ってきたが、何か大事なものまでそぎ落としてしまったかもしれない。働く喜びを素朴に全身で表す障害者を見ていると、自分たちが見失ったものがくすぐられる。これまで就労から阻害されてきた障害者を触媒に、自らが見失った原点が見えてくると障害者就労の意義を語る。
いずれも。2/22オランダの福祉事業を紹介した社説に読者が応え・・・論説委員殿が千葉に取材しての記事です。私は経営にとって合理化には問題があると思ってますが、効率化は図らねばならない考えてきましたので、この障害者就労と効率化の考えには疑問ですが・・・
しかし、手間暇掛けて飼育する姿勢が、安価な輸入豚肉に負けないとする点と、その姿勢が働く喜びを素朴に表す障害者の就労に繋がっていると読み取ると・・・、手間暇を惜しまず制作する我が社の「地域みっちゃく生活情報誌」に我が意を得たりと・・・毎日のオピニオン欄「論説委員が行く」に元気づけられました。新聞って素晴らしいですね。Goto

コメント