相手の側に・・・

新たな価値観を見出すには・・・・
私はスポーツが得意ではない。勿論、ゴルフは好きの横好きで結構やるのだが・・何年経っても腕は上がらなかった。(もう年齢的には過去形です)他のスポーツも運動神経の鈍さが祟って、結局は観戦する側に廻ってきました。
取り分け、ボクシング。先日たまさか早めに帰宅、テレビを捻ったら・・・WBCチャンピオン井岡一翔選手の防衛戦が始まるところ、観戦した・・・。結果は挑戦者をKOで退けたのだが。ボクシングに限らず、スポーツって不思議と贔屓の力士や選手、チームの側に立って観戦するものです・・・
この日は、井岡選手の動きではなく、なぜか反対側からボクシングを見てみたいと思ったので。そうしますと不思議です。全く違った形で観戦できた気がします。挑戦者の繰り出すパンチを主体に見てるわけですが・・途中からボディーを嫌がってセコンドに目をやるのが。
左ストレートが空を切ると首を微妙に傾げる癖があるとか。クリンチする時・・身体のキレが悪いのをカバーするにはどうすべきかと悩んでいるような表情をするとか・・・。井岡選手を追っているとは全く違う景色が・・・KO負けで・・・悲惨な気分になりましたが。
毎日新聞5/5付「時代の風」で山際寿一京大教授が・・・ゴリラは19世紀にアフリカの奥地で欧米人に発見されて以来、好戦的で凶悪な動物とみなされてきた。なぜか。それは初期の探検家達が作り上げた物語がもとである。その一面的な見方からアフリカは暗黒大陸、ジャングルは悪の巣窟・・・そう思いたがった欧米人は・・・
その幻想を利用して欧米各国はアフリカを植民地化する材料に使った。
暗黒の世界に支配される不幸な人々に光を当てるのだと正当化して。
ゴリラ・・発見以来100年以上たって、野生のゴリラ調査が始まり、彼らが平和な暮らしを営む温和な性質を持つことが明らかになった。現地のアフリカの人々もゴリラを特別視なしていないことがわかったが、時すでに遅し・・・・ゴリラは絶滅危惧種に・・・
ボクシングをどちらの側で観戦することと、ゴリラを敵対視して植民地化を正当化してきた欧米各国とを結びつけるには多少無理がありますが。しかし、人間という奴は、一方の側に立つと、相手の側に行って自分たちを眺めて見ることをしないものです。
その結果が・・・過去の怨恨を忘れず相手を敵視し続ける。更には世代間で継承し、果てしない戦いの心を抱き不毛の争いを繰り返す。世の中には多様な価値観があるのに。物事を決めて掛からず多様な側面や視点に立って解釈するようにしたい。そうすれば、新たな価値観を見出すことができるから・・・
それにしても、井岡選手は強いですね。Goto

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