喫煙シーン

芸術と健康についての若干の考察・・・・
織田作之助の代表作。夫婦善哉。NHKの土曜ドラマをビデオで見た。戦前の商都大阪の街。湯の香漂う大分別府が細やかに描かれ、織りなす男の業と定めに生きる女の性・・・大阪弁の柔らかさに潜む情愛・・なかかのタッチで見応えがあった。芸術表彰に値するドラマかな。
取り分け、芥川龍之介の煙草を揺らす写真のような柳吉の煙草飲む姿・・・刹那が味わいを深める。そんなシーンにドラマに引き込まれる。時代背景から煙草は欠かせない小道具。立派な演出家。だが、昨今、宮崎駿監督の「風たちぬ」の禁煙シーンに「未成年者の喫煙を助長する」と禁煙団体からクレームが。
そもそも映画の喫煙シーンが問題になったのは米国の喫煙団体の抗議から。米映画協会は07年から喫煙シーンをR指定(年齢制限)の判断材料として加えるようになった。その結果、米国のヒット映画中の喫煙シーンは05年には4000件だったのが昨年は2500件に減少したそうな(毎日新聞9/18・朝刊・チェック)バカバカしい。
最近の芝居でも喫煙シーンがあると、必ず終演後のアンケートでクレームが寄せられるそうで、火を付けると煙が出る「咳止め」用の医薬品を煙草の代用に使うとか。煙ではなく蒸気を吸う電子煙草の外観を葉巻らしく加工して使うなど工夫を凝らしているそうだ。
私は勿論、煙草を飲みません。我が社も全館禁煙。応接室にも灰皿はありませんが・・・私は喫煙する人に白い目を向けたり。映画や芝居での喫煙シーンを否定したりもしません。夫婦善哉で柳吉の喫煙シーンがなければドラマが一味薄くなるように思っています。ましてや、抗議するなんて、不遜なことも考えません。
私には映画やドラマの芸術性を論じる力は持ち合わせていませんが。芝居や映画で喫煙シーン否定したり抗議する人ほど、文化人を気取っている人が多いには不思議です。国民の芸術深度を喫煙で計るほど愚かなことはありませんが。
昨今の芸術家と称する人達が喫煙しなくなったのは・・・記念団体の勝利なんでしょうねぇ。私的には我は我、人は人、お互いを認め合えば、喫煙をそんなに憎悪する必要もないと思うのですが、米国の規制を健康の美名の元に映画や芝居まで禁煙を受け入れるのは疑問です。Goto

コメント

  1. Goto より:

    そういえば、二人が主演した夫婦善哉があった気がします。見てませんが。Goto

  2. 藤掛 より:

    ことば足らずでした。
    森繁久弥と淡島千景の夫婦善哉は見ましたか、ということでした。

  3. Goto より:

    駅前シリーズ。社長シリーズで二人の共演は何度もみました。小林桂樹さんの秘書課長。三木のり平宴会部長など個性的な俳優も多く出演面白かったです。淡島千景さんは子供心に色っぽかったですね。それにしても、それらのシリーズもタバコがなかなかの演出家でした・・・。Goto

  4. 藤掛 より:

    森繁久弥と淡島千景の映画は、見たことありますか。もしまだでしたら、今度持って行きますよ。