本とは実に摩訶不思議なシロモノですねぇ・・勉強になりました。
糞ったれ!こんな本が1470円(税込)もするのかよう。読むにの一時間もかからないじゃないか。聞いたこともない出版社だと思ったら、当たり前だ、出版業界の暴露本だものな。まともな出版社から発行できるわけないよな。
でも、よく読んでみると、注意深く書かれていて、著者の立場が悪くなるような事態は巧妙に避けている。例えば、大手出版社が「当社で本を出しませんか?」などと詐欺まがいの広告をだすが、老舗出版社は看板が足枷となって・・どんな原稿でも本にする荒技はやらないと、微妙に老舗出版社を擁護したり・・・
本を発行したい奴なんて作家も素人も・・・本質は皆同じ・・自己顕示欲を満足させたいだけだ。ブログを毎日書く奴なんぞもその典型。(私もその一人だが)プロの作家も同じ、自費出版したい奴と一見対局に見えるが、上手い下手の違いがあるだけ、実は根っこは一緒だと、鋭いが・・・売れっ子の大物作家批判は避けている。
プロの作家でも大半が作家だけでは食っていけない。本職が別にあったり、誰かに食わしてもらって書いている。時間と暇を犠牲にして本を出しているわけだ。金を払って本を出す奴とプロの作家は本質的に違いはないと・・作家人生の悲哀も旨く表現している。
この本は、人間の深層、取分け、本を出版したいと願う人間の本質をえぐり。不況にあえぐ出版業界が・・・このままでは自らを縛り上げてしまい身動きできなくなって、早晩死に絶えるであろうとの現状をえぐる業界本に仕立てられている。
本の題名・・当代売れっ子作家にのし上がった百田尚樹氏の問題作「夢を売る男」です。字数的には定価が高すぎるが、出版業界の現状を知る・・業界の端っくれとしては、面白かった。
日経新聞11/18朝刊に・・アジアの出版市場が拡大していると題した特集が掲載されている(写真参照)・・・表は日本の出版物がどの国に輸出されているかジャンル別の比較です。文化、科学、教育本が中国で、韓国では文学や児童書、漫画が売れているのは驚きです。
不況の出版界。百田さんが言うように・・井の中の蛙ではもう生き残れない。アジアの市場は限りなくデカそうだ。業界が組んで打って出てはどうか。それにしても、本とは魔界不思議なモノだ。Goto
11/18日本経済新聞
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