働き蜂の教え

自然の生態系に異常のある地域からの食の輸入は考えものです。
ご存知の方も多いと思います。岐阜市周辺は、昔から養蜂業が盛んで、蜂蜜の生産高は日本有数でした。理由は田の栄養分を増やすために裏作にレンゲを植え、春先に咲くレンゲの花から、ミツバチに蜜を集めさせたからです。
昨今は、レンゲをほとんど植えなくなりましたので、養蜂も少なくなりましたが、岐阜産の「レンゲの蜂蜜」は高級品として、味、香りも良く、好評です。また、その技術は東南アジアなど海外に輸出され連綿と受け継がれています。
06年ごろから、ミツバチ群れから働き蜂が突然いなくなり、群れが崩壊する現象が欧米を中心に多発。(蜂群崩壊症候群・CCD)その原因究明が急がれていましたが、米・ハーバード大の研究チームが、ネオニコチノイド系農薬が原因ではないかとの実験結果を発表しました。
ネオニコチノイド系農薬と言われてもピンとこないのですが。タバコに含まれるニコチンに似た物質が主成分で、農作物や家庭用の殺虫剤として広く使われています。EUでは、CCDの予防的措置として3種類のネオニコチノイド系農薬の使用を2年間禁止にしたそうです。(日経2/17・朝刊)
ニコチン害は人間にだけかと思っていましたが。飛んだところでミツバチに及んでいたとは驚きです。最近、日本では食の安全に関する基準が厳しくなり安易に農薬を使わなくなりましたが。中国や東南アジアでは、乱暴な使用によって生産性を上げているようです。
TPP交渉が大詰を迎えています。交渉の基準に農作物の安全性がいかほど議論されているかは分かりませんが・・・少なくとも、自然の生態系に異常をきたしているような地域からの輸入は考えものですね。ミツバチの群れが教えてくれる食の安全の教訓です。Goto

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