MRJの効用

産業の裾野が広がると信じます。
我がふるさと岐阜には航空の街・・・各務原市があります。空港があり川崎重工を含め航空機部品メーカーが30社を超え、航空産業のメッカと称され、航空自衛隊の基地も航空博物館もあります。初飛行の成功したMRJのベースを各務原市の航空産業も担ったようです。嬉しいですね。
戦後、米国によって航空産業の息の根を止められ、失意の中から国産機を立ち上げたのですから、日本国中が沸き立つのはよく理解できますが。11/12の朝刊二紙の一面トップ、見出しの付け方の違いと三菱重工会長のインタビューを冷静に読み解く必要があるのでは・・・
読売・一面トップ。MRJ初飛行(横見出し)。半世紀ぶり日の丸旅客機(五段ぶち抜き)と両手を挙げて賛意を紙面にぶつけています。モノ作り産業の復活、そんなはしゃぎぶりです。一方朝日は一面の囲み。飛行するMRJ写真は掲載していますが、読売のようなはしゃぎぶりはない。
むしろ、三菱航空機の社長「成功・しかも大成功に近い」のコメントを引用しての控えめな報道。なぜ、一面トップにこないんでしょうか?苦難の末、日の丸飛行機を飛ばすことに意味を感じていないのでしょうか。多分感じていないんでしょうね。
理由は二つ。飛行機、零戦、戦争・・・この連想ゲームが、どこかでよぎっているのでしょう。もう一つは、航空産業が日本の産業の中核として育つ意味が理解できないからなんでしょうか。経済的価値を認めたくないんでしょね。私は思うんです。朝日って、日本の経済の活性化を望んでいないのではないかと。
読売のはしゃぎすぎも問題ですが、自動車産業に次ぐ日本の基幹産業に育ってくれればと願うのがゴクゴク普通の日本人だと思うのですが・・・。
三菱航空機の親会社で生産を担当する三菱重工の会長は「完成機が売れなければ、この開発費が生きてこない。この投資で次なる開発が継続できることが重要」・・・と開発にかかった費用、育った人を生かしたいと、これが企業人の考え方です。
「このクラスの機体なら我々でできるが100席を越えるとボーイングと話をせねばならない。なぜなら、我々はボーイングの下請けで良い関係にある。協力関係をさらに深め機体開発リスクを分かち合いたい」とボーイングの傘の中にあることを認めている。
そして「MRJの国内部品は3割に止まる。日本には航空機装備部品メーカーは少ない。継続的に商売になると踏めば、先行投資する企業も増える。そうなってこそ、始めてトヨタがデンソーやアイシンなど部品メーカーを育てたと同様に、産業裾野が広がる」・・と航空産業の可能性に言及しています。
私は各務原市が歴史、地の利からして日本有数の航空産業のメッカになると信じます。朝日新聞のようなトンチンカンなメディアの妨害がなければ・・・Goto

コメント

  1. 風来坊☆ より:

    10年後には中型機の分野でカナダ・ブラジルの企業に勝っていてほしいです。
    それにしても東海地区の輸送産業の力には驚かされます。