妖怪鎌鼬(かまいたち)

乗客・乗員全員が無事だったのは、妖怪の仕業だったから・・・
水木しげるさんが亡くなられました。水木さんといえば妖怪。
私には唯一出会った妖怪がいます。極寒の頃、ものに触れてもいないのに突然皮膚が裂けて、鎌など鋭利な刃物で切られたような傷ができる現象があります。
鼬に似た妖怪「鎌鼬」の仕業と全国各地に言い伝えがあります。
信越、東北地方に多い現象で、越後七不思議のひとつと言われています。彼らの手口は、3匹で一組なって悪さをするらしくて、1匹が転ばせ、二匹目が刃物で切りつけ、3匹目が薬を塗り素早く逃げる。治療までする憎めない妖怪。
科学的かどうかはわかりませんが、冷気の小旋風などによって空気中に真空状態ができて、それが人に触れると、皮膚や肉が裂けて出血するとか、皮膚が急激に冷やされ裂けるからと、自然現象が原因ではと分析されていますが・・・
私の場合は、搭乗していた飛行機が「鎌鼬」に切られ、墜落しました。平成5年。鎌鼬が出没するのは冬と相場は決まっているんですが、なんの迷いなのでしょうか。春・四月。場所は東北・奥羽山脈に沿う形で造られた花巻空港ですから、彼らのエリアです。
着陸態勢に入ってから、妙に揺れるなぁ・・と感じ、読んでた本から目を離し、窓から眺めますと丁度滑走路の端が・・・・・突然、エレベーターの急降下・・エアポケットに入った感じがしたと同時に「ガァン」と脳天に響いて・・
車輪が胴体に埋り・・キーンという金属音のまま機体は滑走路を火炎を吐いて・・・「コリャ死ぬな」・・恐ろしく長い時間に感じましたが、僅か数秒ほどだったんでしょう。滑走路の土留めまで20メートルほど手前で、止まり、胴体は切り裂かれ炎上・・乗客乗員の無事を確かめ・・機体を離れる・・(数日後の読売新聞、フォト欄に私の姿が)
滑走路横の芝生に全員避難して、轟音とともに炎上する機体を呆然と眺めていると、黒煙の隙間から奥羽山脈に向って逃げ去る3匹の小動物が・・この事故は妖怪鎌鼬の仕業に違いないと、確信しました。水木しげる先生の御冥福を心よりお祈り申し上げます。Goto

コメント