手紙派として・・・本屋大賞を受賞した「ツバキ文具店」を楽しみました。
読むのがもったいない。そんな本に出会ったことありませんか。
本好きの私、明日の朝も早いので、ここまでで・・・と、
無理に打ち切って明日またと、ページを閉じる本は山ほどですが・・・
久々に、これは凄い。一気に、いや、こんな本、読んでしまわねば寝れないと、
品の良い格調高い、味のある本を楽しめました。
きっかけは「本屋さんが推薦する本」との新聞書籍広告です。
タイトルは「ツバキ文具店」・・・鎌倉の風景、情緒を縦糸に・・
今時街にない文房具屋さんが横糸・・・・「祐筆」・・・おばあさんの後を継いで・
孫娘が・・・代書屋に育って行く物語です。
一コマ一コマに、暖かくて、人情味があり、でも社会の機微を細やかに。
作者は小川糸さん。直木賞のノミネート作品なら・・・
そりゃ長編、圧巻の「蜂蜜と遠雷」とどっちがと問われれば、
素人なら迷うでしょうが・・私なら「ツバキ文具店」に軍配をあげます。
で、ふと思ったのです。なぜ、「ツバキ文具店」が直木賞に漏れたのか。
名だたる選者諸氏が侃侃諤諤の議論をしたはずなのに。
理由は簡単です。芥川賞は奇をてらった作品なら何でもいいのです。
ですから、駄作でも、それで本屋に足を運んでくれる人が一人でも増えれば。
でも、直木賞まで、そうしたくない、そんな選者の矜持が、一作品に絞らざるを得ない。
素晴らしい作品が二つあっても、無理矢理一つを決めねばならないからでは。
それと、ここまで「手紙」の真髄を掘り下げられると・・・
選者の負い目がでたんでしょうね。そうです。選者をある部分で超えた作品・・
だから、選べなかったのではないでしょうか。(ノミネートされていたらの話です)
ハイ。矜持と引け目が綯交ぜとなった結果・・
「ツバキ文具店」が選から漏れたのではと思います。
何となくですが。芥川賞よりも直木賞よりも、本屋大賞の方が、
「本物」の作品を提供してくれる気がします。
出版業界も、格好つけないで、もっと素直になれば良いのにと、思うこの頃です。Goto
追伸
私は手紙派です。最初のご挨拶は手紙でします。その後はメールですが。
手紙とは何か。「ツバキ(椿)文具店」に改めて教わりました。
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