美濃和紙の着物

世界農業遺産地域の地場産業を集めて新たな商品を開発。
5月に入り飛騨地方では雪が舞い、その数日後には一転して猛暑日に・・・
この時期は風薫り五月晴れが続く最も過ごし易い季節なのに、
天候不順に・・・困惑しています。
ハワイ島でのキラウエア火山の噴火、溶岩が民家に迫る様は、
この世のものとは思えない、異常な状態です。
日本でも対処不能な天変地異が起こらねば良いがと気を揉みます。
杞憂に終わればと願うのですが。この夏も猛暑が予想されます。
連日、熱中症で倒れた、運ばれた、そんなニュースに触れたくないものです。
今から対策を立てる必要があるのではと思うのですが・・・
岐阜県では、1年前になります。
ふるさと岐阜県の中央を流れる長良川、その水系全域が「清流長良川の鮎」として
ユネスコの農業遺産に認定されました。1周年記念の催しが行われました。
岐阜県は海なし県です。母なる川の恵みに育まれた住民の文化が認知された意義は深い。
長良川は全長166キロ、分水嶺は飛騨との境にあり、伊勢湾に流れます。
山で切り出された材木は筏に組まれ、岐阜市まで運ばれます。
筏の木屑を餌にする魚「いかだばえ」を始め、桜の花が満開時に卵を宿す
「さくらばえ」塩焼きで頂くととても美味い。(今はほとんど水揚げされませんが)
この時期は鱒です。「サツキマス」と言われ、癖のない美味しい魚です。
イワナやヤマメを求め、釣り人が渓流に入るのもこの頃です。鮎も昨日解禁に・・・
乾季にも川は枯れることはありません。濃尾平野の北部一帯の水田も、
畑もこの川の恵みで育ちます。
取り分け、長良川の中域に位置する美濃市では古くからコウゾが採れ・・
和紙の生産が盛んです。真冬の川にコウゾを晒すのは冬の風物詩です。
江戸時代から「美濃和紙」としてその名は有名です。
岐阜の地場産業はアパレル。2014年、若い経営者達が知恵を絞り・・
暑い夏を涼しく過ごすに快適、クールビズで美濃和紙を使った
「岐阜シャツ」を開発した。地場産業同士の連携です。
シャツは和紙ならではの吸収性があり、汗を吸いやすく、
冷んやりして綿よりも軽く、夏にぴったり。
100枚の限定販売ながら大反響、好評を博した。
で、この技術を着物に取り入れようと、
和紙を細長く切って糸のように撚り、シャツよりも2割細くし、
着物の織りに合うよう工夫、色や柄は郡上本染(これも岐阜郡上市の地場産業)で
染上げ粋な着物に仕上がった。
なんせ美濃和紙の着物です。シャツ同様、夏には最高。
長良川水系、世界農業遺産認定地域の地場産業を集めた・・・猛暑対策・・・
私もこの夏、粋に美濃和紙の着物を着てみようかと思っています。Goto

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