買い切り方式

本の価格って、誰が決めるのか。いつの間にか、高額になっていないか。
賛否両論が渦巻く中、アマゾンは年内にも出版の
「買い切り」方式に踏み切る見込みらしい。
出版業界。本を販売する仕組みは非常に複雑である。
取次店という問屋が君臨、街の本屋さんは、この取次店から本を仕入れる。
仕入れるというのは間違いで、本を預かる。預かるのだから、当然、価格は
出版社の決めた定価で売ることになる。値引き販売はできないことに。
価格の自由度が認められない代わりに、売れ残れば返品することができる。
管理さえしっかりしていれば本屋さんのリスクは少ない。
2018年の書籍返品率は36.3%だそうで、取次店が卸した本の3分の1以上が
出版社に戻ることになる。
本の価格が全国一律でなければならないのは、「再販売価格維持制度」による。
出版文化を守るため、全国どの書店でも同じ価格で本を買える。独占禁止法の
適用外として認められている。新聞にもこの制度が適用されている。
「買い切り」方式とは、本や雑誌を取次店を通さないで直接出版社から購入、
売れ残っても返品しない。つまり、買ったものだから、価格も自由にすることができる。
出版界の慣習をぶち破る手法である。
とは申しても、出版不況の中、再販制度が形骸化しつつあるのが現実で、
特にネットでは「本」の定価販売は崩れつつある。
賛否両論あっても、世の中の流れは、定価販売の維持には無理があるのが現状だろう。
私は思う。まず、取次店がなぜ、ネット販売に踏み込まないのか。
アマゾンに対抗しないのか。遅きに資すると諦めてはいないか。
利権を守ることに汲々として時代の波に乗り遅れた結果の抵抗では情けない。
もう一つは、本の価格はいったい誰が決めるのか。そしてその価格には正当性があるのか。
もちろん、出版社が決めるのだが。それにしても、最近、高すぎないか。
「貧すれば鈍す」というが、大して内容もない新刊が、1500円以下では買えない。
スマホの月極め料金と比較するのに価値はないが、でも読んで見たいと思っても、
何冊も買えないのが現状だ。
アマゾンの「買い切り」方式が出版界に激震が走るのは、
出版不況にも関わらず、保守的な販売方法に甘え、手を打たなかった付けではないか。
そんな思いで状況を眺めている。因み私は月に5冊は本を買おうと決めている。Goto

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