キンチョールのパロディー

万葉集の「梅」を題材にしたのですねぇ。
新しい年号が発表されました。
広告の仕事をするなら、その瞬間に立ち会えと申します。
NHKのLive中継で、緊張の面持ちで官房長官が「令和」と書かれた額を差し上げる……
その瞬間を見ました。(大袈裟かな)
昨日の日経新聞をめくっていたら。
香川照之さんが、些か緊張した面持ちで「キンチョール」の額を掲げているではないですか。
天然除虫菊使用の水性「キンチョール」新発売の見開き紙面が……
わざわざ4/1に合わせたパロディー広告ですね。
現実のTV画面とは多少趣きを異にしましたが、大胆な広告です。
何を狙ったのか、新商品のアピール以外に笑いもできず、
かといって、感動もないし、その意図がよくわからぬ広告です。
「令和」と聞いてどう思いましたか。
私は二つ。春爛漫の4月。日本では「花は桜」です。桜の花が満開のこの季節に、
「梅」を題材にした万葉集から引用したこと……「桜」より「梅」が好きな私としては、
凛とした思いになりました。
「梅」は百花に先駆け咲きます。清楚な香りに気品が漂います。
寒梅は雪を分けて咲き、寒中に震える人の心にともしびを与えます。
そして、滋養強壮の梅干しにもなりますから。
「梅」は中国由来の花ですが、日本人の生き様です。
それと、「令」という文字。どんな元号になるのか予想していた人たちが
一応に驚いたのが、この字です。私は一瞬ですが、律令の令が頭に浮かびました。
この国が抱える閉塞状態の元凶は、平安時代に作られた国家体制である
律令制にあるのではと思っています。
令には、ルールを守るとか、法律や法令、政令に従うという、
秩序維持の意味を含んでいます。今の時代はもう少し寛容さを求めていると思うのですが。
その意味では「重苦しい」元号ではないかと、率直に思いました。
殺虫剤の広告と新元号「令和」の間に何の関係性もありませんが……
とは申せ。大衆は「虫ケラ」、除虫してしまえ、それが新元号だと、
キンチョールが言っているわけではありませんが……パロディー難しい。
それにしても広告って自由でいいですね。
「令」を冠した「梅」のごとく凛とした時代がやってくること、
大いに期待したいと思います。Goto
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4/1日本経済新聞

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