笛吹けども踊らず

人口減少に歯止めが掛からぬのに、20年度からの地方創生の第2期がスタートですって。
「笛吹けども踊らず」って諺がありますが、
この問題って、まさにこのことなのか。それとも、他に理由があるのか。
安倍政権が掲げた地方創生、まもなく5年が経ち、2019年度で第1期が終わる。
「笛吹けども踊らず」の意味は「あれこれ手を尽くして準備しても
それに応じようとする人がいない」と「準備を整えて誘っても
人がそれに応じて動き出さない」があります。
もちろん、同じ意味ですが、角度を変えると二つの見方ができます。
地方創生で考えてみましょう。
政府が推進軸にした「まち・ひと・仕事創生会議」は、しっかりと準備を整えたのか。
周到な準備が出来なければ、ひとは動かないです。準備不足、あるいは
ひとを動かすだけの政策が立てられなかったと言えないか。
もう一つは、どんな手だけを講じても、人が動かない。そもそも論ですが、
都会に暮らしたい人、それも東京、首都圏で生活したい人は、どんな魅力的な提案があっても、
東京を離れたくない。即ち、地方創生など眼中にない人たちにいくら笛吹けどもです。
私的には東京に居て、地方創生を考えても、地方が元気になる施策など浮かばない。
地方に暮らす人が、その地を再興したい、元気にしたいと真剣に思っていない。
そんなこと、できるわけがないと、思ってしまっているのではないか。
そのことを反省した上で、さて、第2期を取り組むかどうかを考えるべきではないでしょうか
「笛吹けども踊らず」でもう一つ、重要なことがあります。
人口減少に歯止めがかからないことです。
地方創生とは「その地域に人が集まる」ことです。基本は人口増です。
日本の総人口が減り始めたのに、地方の人口が増えることは自己矛盾です。
移住定住によって、都市部から地方へ人口を移し、地方創生ができるという発想が、
間違っているのではありませんか。とは申せ、20年度から始まる第2期の基本方針づくりに
着手せねばならない。で、その柱が検討された。
それが驚く。地域との特定の関係を持つ「関係人口」の拡大を目指すと。
そもそも第1期では「地方に仕事をつくる」「地方への新しい人の流れをつくる」が
基本目標だったのだが、その実現が難しいとなると、「関係人口」の拡大をと、言い出す。
「関係人口」ってなんですか。定住はしないが定期的に訪れてくれる人だという。
またまた、よく理解できない官僚的なインチキな概念です。
政府が新たな笛を吹こうとしても、音色は涼やかですが、思うに任せぬことは必定です。
では、どうすれば良いのか。第2期でも3期でもどんどん笛を吹けば良い。
それを否定するものではない。でも、大切なことは、そこに生きて、暮らしている人が、
地方創生を願っているかどうかです。大半の人たちは「そうなれば良いが」という他人事です。
それでは政府がいくら笛を吹いても、踊らずでしかありません。
でも、自分の暮らす地域、地方を元気にしたいと真剣に願う人は、どこにも居ます。
彼らを探しだし、彼らと「どうすべきか」を議論し、行動を起こすことです。
もちろん、それには所管の内閣府が予算をつけることです。
移住定住の増加も関係人口の拡大も、所詮はそこに暮らす人たちの問題です。
私は、東京や首都圏が更に住みやすい楽しい地域になることが大切だと思っています。
それでも、都会に疲れた人の受け皿が地方であればよいと思う。
地方創生などという政策に血まなこになる必要などないと思うのですが。Goto

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