これは戦争である。志願兵を募ることも視野に。
発症が確認されてから一年になろうとしている。
店頭ではジワリと価格が上昇、消費者への影響もでてきた。
関係者もえっ、なぜ、どうしてと狐に騙されたようだが、発症地は岐阜県である。
そうです。豚コレラのことです。
細菌の猛威は恐ろしいもので、今や、愛知県、三重県、長野県、滋賀県へと
ジワジワ飛び火している。これまた、どうして感染が広がるのかも、
正確にはわからないのだが、感染した豚舎に接触した人や小動物、鳥ではないか。
それ以外には野生のイノシシを媒介に広がっているのではと言われている。
管轄の農水省が、次々に示す指示に従い、豚舎を始め関係する施設の
衛生管理を徹底しても、感染の拡大に歯止めはかからない。
であれば、イノシシにワクチンを食べさせ、体内に抗体をつくるか、
イノシシを撲滅する以外にないと作戦は続くが、野生です。絶滅させることはほぼ不可能。
話を戻そう。なぜ、岐阜なのか。30年も40年も豚コレラなど、一切無縁であったのに。
考えられるのは、飛来する鳥か観光客の持ち物に付着したかしかない。
現在の豚コレラ菌とウイルスの種類が違う「アフリカ豚コレラ(ASF)」が中国や
アジア諸国で急速に広がっている。ASFの致死率は100%である。
今年1月、中国からの旅客機でセントレアに降り立った2人の乗客の手荷物から
ASFの生きたウイルスが発見され、検疫、税関当局に緊張が走ったことで、
政府は4月にASFの水際規制を強化し、監視を強めている。
多分、岐阜発症の豚コレラも原因はそんなところではないか。
現時点で、岐阜県下の38養豚農場のうち、発症に伴う殺処分(国の基準では、
養豚場で陽性の豚がでると24時間以内に全ての養豚を殺処分することになっている)
を実施した養豚場は16農場。処分された豚は12万頭中5.6万頭、47%である。
養豚家のことを思うと、安易なことは言えないが。手立てがないなかで、
如何に感染を防ぐか。苦悩が続く。農水省はワクチンには懐疑的で、
全頭事前出荷の方針を示すが、その手続き方法すら、満足に示されていない。
それと、「24時間以内」この緊急事態の殺処分は誰がやるのか。
「殺」は獣医ですが、その後、袋に詰め、穴を掘ってそこに埋めるのは
岐阜県の職員です。県職員が防御服に身を纏い昼夜三交代制で「処分」するのです。
現場に行った職員。豚と目が合うと………現場にはカウンセリングの医者も同行するのだが、
肉体的な疲労はさることながら、精神的に心を傷める職員もでる。
数百頭の場合は職員で賄えるが、数千頭となると、自衛隊に要請をして始末にあたる。
自衛隊にも特別救護班が同行する。
私はこれは豚コレラ菌との戦争だと思っている。
それも、相手が見えない、恐ろしい戦争だ。
これ以上、感染が拡大するようなことなら、志願兵を募って、
国民全体の戦争として、対処せねばならないだろう。
そんな事態になれば、私も老骨に鞭打って志願する覚悟である。Goto
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