ハンセン病家族訴訟に思う

日本の社会には、謂れなき差別が蔓延している。
安倍晋三首相は「長い間、大切な人生において大変な苦難を強いることになってしまった。
政府を代表して心から深くお詫びする」と謝罪。
新たな補償のための立法措置を講じる意向を表明。
政府と国会は秋の臨時国会で「元患者の名誉回復をうたったハンセン病問題基本法の
改正と、家族への補償の具体策を定めた法整備」を急ぐことになった。
安倍首相がハンセン病家族原告団に深々と頭を下げ謝罪する姿……
これはこれで最悪を免れたとの思いと……
なぜ、ハンセン病患者の名誉が回復された国家賠償の際、隔離政策により受けた
家族の「社会的差別」のことを考えなかったのか。どうしても拭いきれない疑問です。
時にして歴史は今から思えば悲惨な間違いを犯すことがあります。
「らい菌」の感染性を否定するのに、医学は医療はあまりにも無力でした。
その結果、国が社会が許されざる人権の蹂躙を行いました。
全てのとは申しませんが、大半の国民が差別者となりました。
医学の進歩が、国家的なこの犯罪にNO突き付け、患者の名誉回復を後押しました。
人類は間違いに気付けば改めるに憚る事なく改善し克服してきました。
衆参両院が謝罪し、最高裁も誤ちを反省しました。
私の疑問はその折になぜ、患者の家族を置き去りにしたのか。
家族の苦悩もわかっていたハズなのに。いやそこまでは思いが至らなかったのか。
それとも法的には、家族の名誉回復のために国が賠償する義務を負わないとしたのか。
多分に、後者だと思うのだが。
国とはいったいなんなのか。国民のために存在するのではないか。
だのに、国民に牙を剥く。その事がどうしても理解できない。
日本社会には、いや、人間社会なのかも知れないが、
有形無形に謂れなき差別が存在している。
このハンセン病家族訴訟を契機に全てを丁寧に洗い直して欲しい。
その役割は、もちろん政治の力だが、メディアに期待したいと思うのは
私だけではないだろう。Goto

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