ひつまぶし

食欲の秋本番です。食文化を堪能したいものです。
うなぎの養殖といえば静岡の浜松が有名ですが。
2018年の生産量となると、1位が鹿児島で、2位は愛知です。
「一色ブランド」で知られる西尾市「旧一色町」が市町村別では全国トップ。
我が岐阜県での養殖は微量ですが。
「うなぎ料理」を名物にしている地域は何ヶ所かあります。
刃物の街関市。焼き物の街多治見市は鰻屋さんが多く有名です。
そのルーツはと申しますと、いずれも刀鍛冶や陶器作りの職人の街です。
職人の栄養源に、スタミナ食として「うな丼」をかきこむ習慣があったからです。
生産量の多い愛知県の「うなぎ料理」といえば「ひつまぶし」です。
発祥は明治の中頃、商人や芸妓らが盛んにうな丼を出前で。
その折に器のどんぶりがよく割れた。
どうしようかと思案した結果。漆ぬりの大きな「おひつ」なら割れない。
人数分のご飯とうなぎを持って出前するように。でも、数人でうなぎを囲むと、
どうしても、うなぎだけが無くなりご飯が残る。
それではと、一人前用の小ぶりな「おひつ」して刻んだうなぎをのせて
「混ぜて(まぶす)」食べればと、工夫したのが「ひつまぶし」の始まりだとか。
「ひつまぶし」の食べ方はしゃもじで十字に四分割。
最初の一杯は、茶碗によそってそのまま味わう。タレが店の命。タレで店の伝統を楽しめます。
二杯目はネギとか海苔とか、ゴマとか、薬味を振り掛けて頂きます。
三杯目は、濃いめの鰹出汁をかけてお茶漬けでいただく。
これが「ひつまぶし」の真髄ですかねぇ。花街では「酒のシメ」に茶漬けをたべる。
その名残です。となると「ひつまぶし」のそもそもは、花街の食文化ですかねぇ。
四杯目は「お気に入りの食べ方」でということらしいですが。
茶漬けの後に、もう一杯ご飯をはないですね。
これは私の発想ですが。一緒に食べる人で、もう少し食べたいと思う人にどうぞと。
そんないたわりの一杯ではないかと。
「ひつまぶし」はうな重やうな丼とはひと味違う名古屋めしの逸品です。
秋深いこの季節、名古屋コーチンの味噌鍋で熱燗を楽しんで、
シメに一色産の鰻の「ひつまぶし」を。名古屋でいちばんのグルメかも。Goto

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