なぜ、そんなに慌てるのでしょうか。所詮、人は例外なく死するものなのに。
岡山らしいですが。「老いと演劇」という面白い劇団があります。
看板俳優は岡田忠雄さん。93歳です。岡田さん主演の前作は「認知の居所」。
認知症の兆候がある老人が映画作りに情熱を傾け周囲を巻き込む意欲作でした。
岡田さんのペースで進む舞台は「観客の相槌や笑顔に包まれ」好評だったとか。
主宰の菅原直樹さんは「岡田さんに合わせようと工夫し、無理する時があるが、
演劇という大きな喜びを共有できる」と93歳の男優を中心にゆったりした演劇は
時空を超えて流れているようだと。一度、観賞に行ってみたいものです。
世の中、経済至上主義です。人の動きも時間にも、全てが効率を求め
「早く、速く、疾く」で速きことが絶対の時代です。それに加えて「働き方改革」です。
長時間働くな働けば罰する。同じ仕事に賃金の格差はない、つける会社はブラックだ。
そんな「悪改革」が横行すればどうしても「短時間」で効率をあげるしかない。
速きこと絶対の時代に更なる速さを要求しているようなものです。
私の持論です。どんなに急いでも、そうです。音速よりも速い飛行機「コンコルド」
(今はなくなりました)でも、人間のやることなど、所詮は地球の回転よりも
速くなることはありません。うさぎと亀の競争のようなもので、
いずれは亀がうさぎに追いつき一緒に進むってことになります。
最近、「スキマ時間」を有効に使う術を指南するビジネス書が流行っています。
コツはリスト化。3分あれば「ハガキで手紙を書く」5分あれば「漢字や数字の
パズルで記憶力チェック」する。「時間が空いてから何かやろうとしない、
スキマ時間に何をやるか、あらかじめリスト化しておきなさい」
そうすれば、「スキマ時間を無駄に過ごしている」と答える人が
8割もいるようなことはなくなり、誰もが時間を有効に効率良く使える。
そんな「働き方改革」の根本である効率化をアップする素晴らしい本です。
で、です。あなたはどう思いますか。
企業や組織、団体はその目的のために、スピードを緩めたらそこで終わりです。
企業が成長を止めたら、倒れます。組織も団体も活動しなくなれば、解散です。
効率を上げ、スピードを上げてこそ生き残れます。
でもです。アクセルを踏まなければダメだと、決めつける必要はないのではないでしょうか。
老いて速く歩けない人は、速く歩く必要はない。その人に合わせて一緒に
ゆっくり歩く周りの人がいてもよい。それを「おまえは遅い、非効率的だ」と
責める権利など誰にもない。人間の歩みなど、所詮、地球よりは速く回れないし、
どんなに急いだ人でも、ゴールは「死」なのですから。Goto
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