原点回帰

目的や理念が明確ならば、悩むことも迷うこともない。
今のこの状況で生き残れるのか、このまま収束しなければどうなるのか。
そんな思いが巷を席巻しています。「コロナウイルス」は「人の動き」を止めました。
その結果、急速に経済にブレーキが掛かりました。
先行きの見通しが立たないことほど、不安なことはありません。
でも考えてみて下さい。人生って実はボートを漕ぐようなものではないですか。
先は何もわからないのです。そんな状況ほど、理念が重要ではないでしょうか。
今見えている風景は今まで通ってきた道と今通過している姿です。
後ろは誰もわからないのです。多分、この風景の延長が進む先だろうと、
漠然と思っているだけではないでしょうか。
今の風景が「とても見るに耐えない」状況だから、明日の風景はもっと悲惨ではないか。
そう思えるから余計に不安になるのでしょう。でも、明日のことは誰もわからないのです。
そう思えば至って気楽になりませんか。物事は深刻な顔をしていたら、知恵は浮かびません。
今、考えられること、出来ることを「上機嫌」でやれば良いだけです。
好不況の波に関係なくボートが転覆しない限り動じない飲食店を紹介します。
都会の話ですから、ローカルで同じことができるとは思いませんが、
考え方や経営発想は、どんな商売でも参考になるのではないでしょうか。
基本です。飲食店は何のために存在するのですか。
お客さんのお腹を満たすため。美味しいモノをお手頃価格で食べてもらうため。
これに尽きます。
このお店は「1日100食限定」それも「11時から(ランチのみ)完売で終わり」。
なぜ完売になるのか。国産牛のステーキ丼(メニューはこれのみ)が1000円(税抜き)
原価率が50%(普通は30%)だから材料が良い。(料理の鉄則ですね)
単品売り切りですから食品ロスは出ない。機会ロスは人の欲望を喚起します。(再訪に繋がる)
3時間余で完売するので従業員が過剰労働にならない。無理することはない。(離職率が低い)
売上が固定になるので、損益分岐点が明確、利益が見える。(シンプル経営ですね)
目標は「減収増益」。(合理性の最たるものです)
必要な営業に絞って経費を最低限に抑えることに従業員の意識が向けば可能だと。
見事な経営戦略です。
「売上至上主義」ではない。飲食店とはなんぞやの理念を明確にして一切の無駄を省き、
経営効率を追求するこの店には「コロナウイルス」の影響はない。
人は誰もが「腹が減ります」。増して「昼食は必要」です。
であればと、イートインを「100食限定のままテイクアウト」に切り替えたからです。
私は思うのです。困難な時こそ原点に帰る、その発想さえあれば、
不安に慄くことなくボートを漕ぎ続けることができるのではないでしょうか。Goto

コメント

  1. Goto より:

    熱いコメントありがとうございます。
    人生色々、十人十色です。
    色んな意見や考え方があって良いと思います。
    それぞれに原点があると思います。
    困難に遭遇し、迷い悩むとき、その解決方法は
    「原点」に返って考えるのも一考ではないでしょうか。人間という奴はややもすると自分が一番正しいと思いがちです。正解などというものは、状況によって、見方によって随分違うものです。

  2. レモンハート より:

    真っ向反論です。正確にはそんな店もあってもいい、だけどそんな店ばかりじゃ何の潤いもない店ばかりでつまらいと感じます。スーパーで美味しい肉を買って食べれば原価率100%。成功例として讃えられた、いきなりステーキや、俺のイタリアンも飽きられて今や落ち目、廃業ばかり。いくら美味しくても安くても、笑顔のサービスがあっても来店理由にはならない。コンサルタントや広告屋は、お客さんの来店意欲はモノからコトへと、あれほど唱えていたのに原点回帰はナンセンスそのものです。うちの店のテーマ、キャッチコピーは「仕事帰りの疲れた心にパッと電気を灯す黒板酒場」。お客さんはバカじゃない、美味しいだけ安いだけ、雰囲気がいいだけじゃ来ない。来店理由をロジカルな表組では理解できない、ナラティブシンキングこそが大切だとつくづく思い知らされました。もちろん、電子マネーやクレジット、禁煙、モバイル広告、リースニング広告、エアレジなどの新しい取り組みはどんどんしていかなければいけませんが。信長のような戦い方もある、光秀のような戦いもある、細川のようなどこにもつかない中性を誓う家の守り方もある、長曾我部のような戦いも、、まさに多様性の時代です。うちも例外にもれず、今月の売り上げ30%ダウンですが、、一人客は1000%UPです。うちの理念に賛同してくれた客層がいたことの証です。コロナの影響でわかったことは、つながりこそが大切だということです。追伸:レモンハート(多治見市)のグーグルマップの評価は5点中4.5点(2年前までは2点台の評価でした)です。このような人たちが高評価を付けてくれたのです。お客さんと店は相思相愛、お互いを気遣い恋人同士じゃないと長続きはできません。