鵜飼中止

宮内庁の式部職です。長良川の鮎を献上して下さい。
1400年の歴史を持つふるさと岐阜・夏の風物詩「長良川の鵜飼」が
コロナ禍の影響で中止となりました。残念です。
本来ならば5月11日から10月15日・満月の夜を除いて毎夜開催されるのに。
先週の土曜のことです。
午後7時半。5分ほどですが、突然、長良川の河川敷(戦後一貫して開催されていた
長良川全国花火大会の会場・今年は五輪で警備が手薄になるからと、中止になりました)で
花火が上がりました。
地元の煙火会社(花火会社)が岐阜市民に「コロナに負けるな」上を向こうと、
打ち上げてくれました。事前に知らされていなかった市民は、
酔狂な人が「思いついて」打ち上げたたのだろう。などと、見上げていましたが。
花火師たちの心意気と知って、納得すると同時に元気をもらいました。
花火はいいですねぇ。鎮魂の意味もあり、大空に大輪の花が咲くと気分も高揚します。
改めて、感謝します。できれば、事前に知らせて欲しかったのですが。
河原に人が出て・・・でダメとか。
で、です。なぜ、長良川の鵜飼を中止するのか。意味がわかりません。
中止じゃない、延期だと言いたいようですが。観光鵜飼と捉えるなら、
観覧船を出さなければ良いだけです。堤防に多くの人が見に来る、三密を避けるため、
だそうですが。通常でも岐阜市民が河原や堤防、橋の上で、鵜飼をみるために
立ち止まるなんてことはありません。
だって、です。岐阜市民にとって、鵜飼は観光ではないのです。
鵜匠は宮内庁の式部職。公務員です。鵜匠は鵜飼を見せますが、
それはついでの話です。本来は「漁」をして、獲れた魚を卸すのが生業です。
勘違いしたのは、戦後です。娯楽があまりなかったころ、鵜舟に篝火、
烏帽子に腰蓑の鵜匠と12羽鵜が織りなす「川魚漁」に人気が高まり観光化されたことで、
「鵜飼」が見世物になったのです。それに岐阜市が価値を見出したのが観光鵜飼です。
今年のように、観光客が来ないのを理由に中止(延期)するのは如何なものか。
えっ。理由はそうではないって。3密を避けるため・・・だと言ってるじゃないですか。
そんな言い訳なんて、聞きたくないですね。本来の伝統に立ち返って、
見世物鵜飼ではなく、厳粛な「鵜飼」を継続して欲しいものです。
漁で上がった「魚」を市場に卸して欲しいものです。
それと、5月11日に獲れた「鮎」は献上品として、天皇陛下に納めるのです。
それもやめてしまうのは、如何なものでしょうか。
「コロナ如き」で1400年の伝統を壊すなんて、なんと軟弱な。Goto

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