気象庁・虫・鳥などの自然観測を中止。風流・風情が消えます。
冬になりました。満天星躑躅がとても綺麗です。
満天星(ドウダン)躑躅(ツツジ)と読みます。誰が当てはめたのか・・
ツツジは別として、満天の星と書いてドウダンと読ませるとは如何にも風流です。
この地方ではこの時季・冬の始まりに満天星躑躅が真っ赤になります。(写真参照)
我が家の菩提寺であります、岐阜市粟野の名刹・大龍寺では、裏山・金粟山の法面が
満天星躑躅で山が赤く染まります。それはそれは見事で、地域では満天星が染まるのを
合図に冬支度を急ぎます。
ご存じでしたか。災害時には「命を守る行動を起こして下さい」と無味乾燥な声で、
テレビ報道などで訴える気象庁。気象庁って、天気予報と災害の情報をするだけではなく、
季節の進み具合や気候の変化を見るために・・・トンボやウグイスなど23種類の
季節観測なるものを半世紀以上にわたってやっていたことを。
生き物だけではありませんね。植物の観測も行なっています。
有名なのは「桜の開花観測」ですね。その地域の気象台近くのソメイヨシノを
目視して「開花・開花」と叫ぶあれです。植物の観測は対象は34種目あります。
虫・鳥などアキアカネ・トノサマガエルなどを初めて観測できたとき「初見日」といいます。
ウグイスやセミ、エンマコオロギなどが鳴いたのを観測したら「初鳴き日」として
発表されます。他国の気象庁でもそんなことをやるのかは知りませんが風流ですね。
気象庁の観測は、日本には四季があり、日本人は草花や樹木、
鳥や昆虫など様々な生き物とともに生きていることの証明ですし、
生かされていることがわかりますね。
でです。気象庁が10日・この季節観測を取りやめると発表しました。
なんでだと思うのですが、昨今の人手不足、観測が面倒だからやめるのかと思いきや、
どうもそうではないらしい。観測対象の生き物を気象庁の周辺で探すのが
大変だからだそうです。
観測は全国の気象庁と観測所計58地点で、目視したり、鳴き声を確認した日付を
1953年からコツコツと記録し保存しているのです。
トンボやコオロギを探すのも、草花の開花をジッと待つのも手間がかかります。
やめるのも仕方がないかなって思うのです。
でも完全にやめるのではなく・・・植物観測は「桜の開花と満開」「カエデの紅葉と落葉」
「イチョウの黄葉と落葉」「梅とアジサイとススキの開花」の計6種類は続けるそうです。
ご苦労様と申し上げる他ないのですが・・・
IT時代です。天気予報も大半がAIがやる時代です。
今の調査地点を東シナ海まで広げ、国内を倍増すれば、完璧な予報ができると
民間の気象調査会社はいいます。だったら、「季節観測」も依託してはと思うのですが。
それでは気象庁の面子が保てないでしょうか?
満天星躑躅の赤く染まるので冬支度・・
そんな風情もなくなると思うと淋しいですね。Goto
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