メルケル引退す。

福島の原発事故後、ドイツが脱原発に舵を切ったのは現実主義です。
朝日新聞はほんとうに面白い新聞です。
こう書きだしますと、また、朝日の批判かと思われますが・・・
そうです。批判です。朝日で好きなコーナーは毎週水曜日に掲載される・・
編集委員が好き放題に自画自賛する「多事奏論」です。
「私の言うことは絶対」と臆面もなく利己的主張を繰り返すコラムには毎度、
辟易するのですが、それが快感になるから不思議です。
22日付です。編集委員氏「最近、原稿に斬れ味がないね・・そんな心配を
読者から頂く」「そうですねぇ?色々ありまして・・・昨今の政治状況を観察するに、
今後は『現実路線』でいくことにします・・・・」
「ぷっ。カッコ良さげで恥ずかし過ぎる。撤収撤回します。
私は今まで「現実」を用いたことはない。「現実」は私にとって抑圧の言葉だと
思っているから。「現実」はこう生きたいという理想を描く筆を手放せと
促されることだから」・・・と宣われる。凄い自意識過剰です。
朝日新聞の編集委員って「現実主義」は恥なのですねぇ。面白いですね。
ドイツ・メルケル首相が連邦議会選挙に出馬せず本日をもって政界を引退します。
16年間・ドイツを牽引したメルケル氏・・・功罪は後世が判断するでしょうが・・
「将来、歴史の教科書に何と書かれたいか」と聞かれ「労を厭わなかった」と
書かれれば・・本望だと。手柄に固執することなく、労を厭わず、一つ一つの危機に
対処した政治家だからでしょう。ご苦労様でしたと、感謝申し上げたい。
この夏・メルケル氏の伝記を出版したラルフ・ボルマン氏は「妥協を通じて解決策を探る
メルケル氏の根底には『現実主義』があった」のではと分析、「イデオロギーを
持たないことが際立った特徴だ。彼女にとって、全てが現実的な課題」だったと評する。
私はそうは思わない。
「難民危機」に中東からの受け入れを決断したのは「人道主義」が根底に。
「自国第一主義」のトランプ大統領へ対抗したのは「協調主義」であり、
ウクライナ危機への対応は「覇権主義」へのアンチです。
でもです。彼女の評価は『現実主義』者です。
政治とは「理想と現実の狭間で揺れる」ものです。
彼女もまた、理想を実現するために現実的な手法を選択したのではないでしょうか。
朝日の編集委員氏・・・現実を見ずして「理想」だけで政治を語れ・・
何と傲慢な考え方でしょうか。批判の斬れ味が鈍くなったのはご本人が
世の中が分かってきたと評価できるのですが・・
「現実路線」を否定する編集委員氏・・・ぜひ、「多事奏論」で
メルケル氏を評論して欲しいものです。
ぷっ・・かっこ良さげで恥ずかしい。などとは申しませんから・・・Goto

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