トンカツとキャベツ

コートレットよりカツレツよりもトンカツです。
あなたはトンカツが好きですか?嫌いですか?えっ・・・どちらでもない。そうですか。
そりゃ残念ですね。私はトンカツが大好きです。値打ちで栄養価が高く・・・
赤味噌のタレ、西洋辛子を添えていただく・・・ヒレも良いが脂身の残るロースが最高です。
もう無くなりましたが、ふるさと岐阜・その中心にデンと構えるのが金華山。
その麓に、岐阜公園があります。自由民権運動家・板垣退助の銅像が建っています。
その傍らに昭和の40年代まで小さな「トンカツ屋」がありました。
板垣は、この公園で演説中に暴漢に襲われ負傷するのですが・・・
「先生大丈夫ですか」と駆け寄る支持者に「板垣死すとも自由は死せず」と
死に際に名言を残したといわれますが・・・
事実は「先生大丈夫ですか」との呼び掛けに「痛い」「痛い」と言ったのが本当らしい・・・と地元の「トンカツ屋」では、
政治談義になると・・・語り継がれていました。眉唾ですが・・・
それはそうと、そのトンカツ屋・・・偏屈な親父で、「こんにちは・・」と暖簾を潜っても
「今日はトンカツはねぇぞ」という日が。理由を聞くと「美味い豚が入らなかった」
だからトンカツ屋なのにトンカツを出さないことがままありました。
でも、暖簾を潜って、親父がニコッとした時は、そりゃ、
美味いトンカツを食べさせてくれました。店は・・ご無沙汰の間に
閉店、仄聞するに親父が急逝したかららしい。親父の死に際は「俺が死すとも
トンカツは死せず」って言ったかどうか・・・死因が胃がんだったそうです。
その味が忘れられず・・・今もトンカツを求め好きなのかも知れません。
トンカツとは何ぞや「豚肉にパン粉などの衣を付けて油で揚げたもの」ってことになります。
調理法を編み出したのは・・・1898年(明治28年)東京銀座の煉瓦亭だと。
ルーツは仔牛肉に乾燥パン粉をまぶして油で揚げ焼きにした「コートレット」。
それが牛肉の高騰でビーフをポークに変え、天ぷら鍋で揚げたのが・・始まりだと。
では、付け合せのキャベツを添えたのはいつか。1904年、日露戦争で、
若いコックが兵隊に取られ、茹でて出していたキャベツを・・・あらかじめ切っておけば
面倒なく添えられる・・・それが「トンカツ」にさっぱりするとなって登場だそうです。
へぇって話ですが。
くだんの岐阜公園の傍らにあったトンカツ屋・・・私の記憶では・・・
フォークとナイフではなく、箸で食べていました。親父は「箸で切れねぇような
トンカツはトンカツじゃねぇ」って、キャベツは添えていなくて、鉢に入っていて、
好きなだけ食べろ・・・って・・・
なぜかは知らぬが。。。今夜は味噌味ダレのトンカツが食べたくなりました。
千切りのキャベツをいっぱい添えて・・・自分で揚げてみるか・・・Goto

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