再生二期作

温暖化が生みだす・・稲の新しい品種に期待・・
農業については、さっぱりの私ですが・・さすがにこれは驚きました。
ちょっと早めの4月中旬・田植えをして、8月に収穫・・本来なら根元まで
刈ってしまう稲を地面から50センチぐらい長めに株を残す・・
そして、田に肥料を与え、残った株から伸びて来る芽が穂を付ける。それを収穫する・・
そんな稲作の研究が現実味を帯びています。そんなことが可能かとビックリです。
教科書程度の素人知識では、二期作、二毛作は知っています。
学生の頃です。九州の熊本・八代市の郡築というところで、
イグサの田植えと刈るのお手伝をさせてもらったことがあります。
いや・・・邪魔しただけですが・・貴重な経験でした。
稲作の裏に「畳表」に使われる「イグサ」を生産する二毛作です。
真冬の12月、薄氷の張った水田でイグサを植え付けます。
そして真夏に収穫、瞬間乾燥させて、青々したイグサが誕生します。
農家にとってはとても過酷な二毛作です。
東京の物好きな学生がと笑われたものですが。
イグサ植えはさすがに休憩が多い。その都度、ヤカンで沸かした酒(美少年)を
湯呑み茶碗で呑む。肴は八代湾で取れたアジの叩き、生姜醤油で頂く。
体が芯から温まったことを覚えています。
ほんの三日間ほどのお遊びでした・・
帰り掛けに、自分で植えたモノは刈りに来いよ・・と声を掛けられ。
ハイ・必ず来ます。と、そして翌年の夏に再び。残念ながら既にイグサ刈りは
終わっていましたが、「ようきたばい」と歓迎され、宴席を催してもらったこと、
半世紀以上前の話ですが、覚えています。
1回の田植えで、収穫は2度・・・この研究は農業研究機構・九州沖縄農業研究センターが
実施しています。この研究の切っ掛けは温暖化です。温暖化が深刻になると、
コメの収穫量が落ちるとの予想があります。
だったら、高温に強い品種を開発すればよい。との発想から研究が・・・
高温を利用すれば二期作ならぬ、1回で2度収穫できる稲が開発されました。
再生二期作ってことです。実験は気候が温暖な九州・福岡筑後市拠点で始まり、
収穫量は2回で10アールあたり1400キロ超に。通常の稲作は500キロ程度、
3倍近い量が収穫できることが分かってきました。
この実験に使った稲。課題が一つあって、一般の品種に比べ味が劣るそうで、
改良の余地があります。日本の稲作研究は世界一です。早晩味もしっかりした
品種が改良されるでしょう。この二期作は生産の省力化で農家の負担が著しく軽減されます。
生産量が上がって、労働効率が良くなれば、最高です。ビジネスチャンスです。
コメは日本では余っていますが・・・世界的には食糧難です。
高品質な日本のコメは高級品です。輸出を念頭に再生二期作で生産量を上げれば、
コメは重要な輸出源になります。
温暖化の副産物として、コメが輸出源になれば・・・第一次産業が見直されます。
もう半世紀も行ってはいませんが、彼の地・熊本八代市・郡築・・
今も裏作で過酷なイグサを収穫しているとしたら・・この再生二期作は、
もってこいかも知れません。Goto

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