「アンバサン」と「えんずのわり」民族伝統の継続を・・・
石巻市から民族文化財に指定されている・石巻長面地区の北野神社末社・
大杉神社で400年以上続く伝統的な奇祭「アンバサン」が今年も行われました。
愛読紙・石巻日日新聞からの情報です。
石巻日日新聞は夕刊紙です。毎週届けて頂きますが、故郷を離れた人にとっては、
季節の便りを始め伝統行事や震災復興後の状況、郷土の若者の活躍などを
楽しませて頂いています。まさに新聞の力ですね。
奇祭「アンバサン」は大杉神社例祭です。
例祭は、浜の人々が曹洞宗龍谷院に集まり百万篇の念仏供養を行います。
そして、午後、大杉神社を参拝、「アンバサン」の祭りを実施します。
独自の習わしとして、参加者が鍋釜から集めたすすである“ヘソビ”を切った大根に付け、
境内に集まった人々(コロナの影響で15人に絞りました)の顔に塗り合うことで
無病息災を祈ります。
そして、参加者は顔にヘソビを付けたまま、太鼓に合わせて宮司の先導で
太平洋に向かって「大漁・大漁・大漁だ」「満作・満作・満作だ」と三度唱和し、
大漁と五穀豊穣を祈願します。参加者は「コロナの収束を願い、人が繋がり合える状況が
早く戻って欲しい」との願いも込めて。
もう一つ。東松島市宮戸の月浜地区に伝わる小正月行事、
国指定重要無形民族文化財「えんずのわり」の話です。
「えんずのわり」とは「意地が悪い」という方言。農作物を荒らす害鳥を追い払おうと
200年前から続く伝統行事です。
この担い手は男の子のみ。子どもの多かったころは長男に限定されていたそうです。
男の子が岩屋でお籠もりをしてから、集団で家々を回り、害鳥を追い払う唱え言を述べ
一年の豊作と無病息災を祈願します。日日新聞ではこの「えんずのわり」が来年は開催しないと
報じます。理由は来年対象となる子ども中学3年生が1人になってしまうからです。
再来年も小学生2年生1人のみの見通しのため、伝統手法を継続するのは難しいからとのこと。
200年続くふるさとの伝統行事が少子化で消えるとなると対策を講じねば。
私の感覚では、「えんずのわり」と「アンバサン」どこが違うのか、
片方は神事で神社が継承している。「えんずのわり」は地区と申しますか地域が要である。
そこに継続の本質があるのではないでしょうか。
東松島市の話ではありませんが。石巻の斎藤市長が新年度施政方針を発表しました。
5項目の重点政策と新たに広域連携体制の強化が盛り込まれました。
その中に石巻地方の人口減をどうするかは含まれていません。
昨年12月末時点における住民基本台帳の人口は18万4088人で、2年前に比べ、
2556人の減少です。日日新聞は報じます。石巻地方、2市1町で圏域の連携を強めて
人口減少に歯止めをかける定住自立圏の形成に向けた協議が再開されたが・・
人が減っても活力や居住の満足度が維持されるまちづくりこそが、人口流入である
移住・定住の促進になるとの見解を示しています。
それにしても「えんずのわり」の中止は阻止したいものですね。Goto
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