スタグフレーション

米国の経済と日本は多少タイムラグがありますが一体です。
米国の話ですが、実は日本の話です。
5月に開かれたダボス会議(世界経済フォーラム)・・・こんな議論が。
「米国は1970年代のスタグフレーションによく似た高インフレ低成長」に向かっていると。
現在のインフレが過去40年間で最高です。驚くべき水準に達しています。
70年代のインフレも大方の人は驚きでした。当時も戦争がありました。
63年の第四次中東戦争。80年のイラクによるイラン侵攻。どちらの戦争も
原油価格の高騰を招きました。
その結果実質所得は目減り、米国は10年に渡り高インフレ、不安定な経済成長、
株価の低迷に苦しみました・・・その結果、レーガンやサッチャーは
大胆な自由市場政策に舵を切りました。レーガノミクスです。
このままでは供給ショックでインフレが始まり、実質所得を維持できなくなり、
中央銀行が実質需要を維持しようとするため過剰な需要が生まれ、一時的な供給ショックが
継続的なインフレに変質。そしてスタグフレーションに陥っていくことになる。
そんな議論です。
もちろん、米連邦理事会は、そうなる前に潜在成長率とインフレ目標値に
見合う水準まで需要の伸びを押し下げる手立てを講じて、インフレ退治に乗りだし、
スタグフレーションを回避するだろうとの楽観的な見方もあるようですが・・・
翻って・・日本。帝国データバンクの調べでは、食品主要150社が年内に実施したか
予定している値上げは1万品目を超えています。この内6000品目は6月までに値上げされ、
7〜9月に3000品目、9月以降1000品目の値上げが決定しています。
平均の上げ幅は13%。背景は原油の高騰と輸入小麦の高騰。このまま戦争が続けば、
消費者物価指数の上昇が続きます。値上げが続けば収入が増えない限り家計は
苦しくなります。折角、コロナ禍から脱出しつつある景気ですが、冷え込む気配です。
日本経済は米国の後追いです。従属国ですから仕方がないのですが・・
これほどまでに、物価上昇(インフレーション)と景気の停滞(スタッグネーション)が
同時に起きるスタグフレーションの可能性が見えているのです。
まず、政治家がしっかりしてくれねば困ります。ポピュリズム政治を脱せねば・・・
そしてFRBに代わる日銀が・・今のような緩和策を続けるのではなく
引き締めに腹を括ることです。それには参院選でしょうかねぇ・・・・Goto

コメント