報道空白ができますと・・ニュース砂漠地帯ができ、地方が歪んでしまいます。
このブログ、目的は「新聞を読もう」です。
少し驚いたのですが・・・朝日新聞の岐阜支局って・・支局長を含め記者が
4人しかいないそうです。全盛期は岐阜県下に20人はいました。5分の1です。
この人数では・・岐阜版を埋めるのは不可能ですね。
ですから・・・岐阜版に岐阜とは関係ない記事が往々にして掲載されています。
それと、何か大きな事件が起こったりしますと・・びっくりですが、
取材能力がないのでしょう、地方紙の記事を掲載することもあります。
朝日に限ったことではありません。他の全国紙、読売も毎日も似たようなものです。
日経は昔から支局長一人体制です・・でも日経には東海版はあっても岐阜版はありません。
購読部数の減少による合理化、この実態が・・・全国紙のローカルに対する状況です。
現状では47都道府県に支局を構えていますが。購読部数の落ち込みはこの5年間で
1000万部です。これ以上、落ち込みますと、岐阜県や三重県に朝日新聞の支局すら
無くなるのではないか・・・そんな危惧をします。
米国の話です。米国には日本のような全国紙はありません。
全てがローカル紙です。04年には約8900の新聞が3140の郡で発行されていました。
それが21年には約2500紙が廃刊、200以上の地域が「ニュース砂漠」になっています。
そして・・・05年には約7万5千人の記者がいましたが、21年には約3万1400人まで
減少しています。「記者がいなくなった地域では、行政を監視する目がなくなり、
汚職が増え、投票率が下がっています」・・いつも例に上がるのですが、
カリフォルニア州の小さな町役場の幹部が年間給与を膨らませ続け、
当時のオバマ大統領の倍近い年間78万8千ドルを得ていました。
地方紙が廃刊され・・取材の空白地帯となっていたことで起こりました。
それは極端な例ですが・・・日本でも、現在は全国紙と地方紙が互いに牽制しあって
使命を果たしていますので、辛うじて、民主主義を脅かすまでには至っていませんが、
全国紙と地方紙の棲み分けをするなどして、取材網の再構築をせねば、
権力の監視ができなくなると思います。
それと、これも米国の例ですが・・地方紙が廃刊した結果、その穴を埋めるように
「本来信頼がある地方紙のような「顔」をして」・・党派性の強い記事を
発信するニュースサイトが増殖しています。
そんなサイトを・・ジャーナリズムを装いつつ、質の低い記事を量産することから
加工肉の増量のために混ぜ込まれるくず肉の俗称になぞって「ピンクスライム・
ジャーナリズム」と呼びます。現在この「ピンクスライム」サイト、確認されているだけで
1200超あり50州に及んでいます。
でも・・この1200超のサイトはわずか数社の複合体が運営。
多くは保守系の組織や個人と資金提供の関係を持っています。
そして毎月500万本超の記事を配信しています。
各サイトの体裁は酷似、大半の記事はアルゴリズムで生み出されます。
日本ではまだ、そんなサイトは認知されていませんが・・・
でもです。新聞が衰退し、地方紙が廃刊するような事態になれば・・
その地域には取材する記者がいなくなり・・ニュース砂漠(報道空白地帯)ができ
ピンクスライム・ジャーナリズムが幅を利かすようになれば歪んだ国になります。
敢えて・・新聞を読もうと訴えたいのですが。
新聞社の側に、本来の使命を全うするために、何ができるか。
もっと、もっと、真剣になってもらいたものです。でないと、日本でも
「ピンクスライム」が横行するようになります。Goto
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