街とその不確かな壁

ゴールデン・ウィーク・・・机上の山積みの本を読み千切るか・・・

五月晴れとは良く言ったものです。
抜けるような碧い空です。風は爽やか。若葉が目に沁みます。
四季のあるこの国で、最も清々しい季節・それが5月・皐月です。

今年は例年に比べ、桜を見る機会が多かったです。
先週の日曜は・・・飛騨高山で梅と桃と桜、それに菜の花まで
同時に楽しみました。北国では春の花々が一斉に咲き誇ります。

さて、ゴールデン・ウィークです。巷では・・・29日から9連休の職場もありますが、我が社はカレンダー通り。今日、明日は出社。3日から5連休です。
予報では5日は崩れるようですが概ね良好だとか。であれば、行楽にと思うのですが。どこも若い人たちで溢れるようです。芝刈りでみどりの絨毯を踏む以外は新聞の書籍広告を見て買い込んだ・・・本を始末しますかねぇ。

実は・・・先月・私の嫌いな作家・村上春樹氏が・・6年ぶりとなる
長編小説を刊行しました。どうしようかな買おうかな?
前作の「騎士団殺し」には仰天、元々、私には・・何が言いたいのかさっぱり
わからないのが村上文学です。小人の隊長にげんなりしたのですが・・・

今回も「街とその不確かな壁」タイトルからして怪しげじゃないですか、
どうしようか迷ったのですが・・・月末に2700円・買いました。
買った以上は・・・読まねばと、買い溜めていた本を飛ばして、29日に
読みました。・・・1980年に文学界に発表した同名の中編小説をリメイクした作品。それだけでは長編に持っていくのは無理があると、二つのストーリーを加えて「二本立て」の物語にしようと思いついたそうです。

驚きましたね。「あとがき」で構想は二つのストーリーを並行して交互に進行させ、最後にひとつに合体させる目論見だったが、書き進めながら、作家である僕にもさっぱり見当がつかぬ。前もってプログラムを全くこしらえないで、気の向くまま自由に書いていったからと・・・仰っています。格好つけるな。

そして、二つの話は予想通り最後近くになって、なんとかうまく一つに結びついてくれた・・・両側から掘り進めてきた長いトンネルが中央でぴたりと出会ってめでたく完成するように・・・とも。そうなのか、だから途中で合体させるために何度も軌道修正せねばならないので、訳がわからない内容になっているのかと納得です。

ご本人曰く・・村上文学は「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」という世界。でもこの上書き長編小説はそれとは違う「もう一つの対応」として書き上げたそうですが・・・私的には、やっぱり・・・購入しても数十ページも進まないうちに投げ捨ててしまう、不可解な本と同様に・・何度も途中でお蔵入りさせようかと思ったり、睡魔に勝てない程度だと思ったり・・・

「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」をテーマにした過去の作品とどこが違うのか。区別がつかない。スッキリしない小説でした。
とは、申せ、私は村上作品は大概読んでいます。駄作ばかりだとブツブツ言いながら。でも、もうこの「街と不確かな壁」を最後にします。卒業です。
だって、団塊世代にとっては・・・ワンダーランドは書く方も読む方も無理だからです。

でもこれだけは言えるのではないでしょうか・・・
村上作品は世界60ヵ国で出版されています。今年はノーベル文学賞、
栄冠は彼に輝くのではないでしょうか。いややっぱり無理・・・かな。
さてと・・・このゴールデンウィーク、机上に山積みの本・・
どれから読み千切るか。Goto

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