タイム誌はよく見ています。

岸田首相は軍事大国を望んでいるのか・・・

政治がメディアに圧力を掛ける。それが問題になった例が高市元総務大臣、
NHKの番組に注文をつけたと国会で問題になりました。記憶に新しい所です。

米タイム誌(電子版)は10日、岸田首相を表紙とした5月22・29日号を公開しました。「岸田首相が平和主義だった日本を軍事大国に変える」との見出しで、
核軍縮にかける思いや安全保障政策を紹介しました。

外務省は見出しと中身が違うとしてタイム誌に異議を伝えました。
これって、メディアへの政治介入じゃないのかと・・・疑います。
異議を受けたからでしょう。11日の午後には「平和主義だった日本に
国際舞台で、より積極的な役割を与えようとしている」に差し替わりました。

政府関係者は「修正を求めたわけではない。見出しと記事の中身があまりにも
違うので指摘した。どう考えるのかはタイム誌の判断だ」と説明しています。
指摘することがそもそも権力の介入なんですが・・・

記事には「祖母の膝の上で聞いた原爆体験が『核兵器のない世界の追求』への私の原動力になっている」などのインタビュー内容が掲載されています。首相の理念と防衛力強化が矛盾するとの意見があるとも指摘しています。核兵器に反対することと、軍事大国を目指すことに矛盾はありません。軍事大国だが核兵器を持たない選択もあるからです。

国会では、防衛費を関連予算も含めGDPの1%から2%に倍増するための財政確保特別措置法案の衆院審議が大詰めを迎えています。与党は来週にも衆院を通過させる方針です。はじめに防衛費倍増ありきで防衛力強化を図るのはいささか早計ではないか。強引に採決をするのではなく、議論を避けてはならないと思うのだが・・・東アジアの緊張状態を盾に緩む気配はないです。

世界の雑誌・タイム誌です。
岸田政権が27年度の防衛予算を23年度より4兆円増やし11兆円にする。
新たな財源のうち3兆円を税収外で賄い、残りの1兆円は増税で確保するというのが、規定路線です。今の日本財政状況で無理筋であることは百も承知でしょう。

当然に一般会計はすでに財源の三分の一を国債に依存しています。
増税を抑えて国債で賄うようならば、財政はさらに悪化します。
そうなれば・・・軍備拡張で戦争に突き進んだ・・いつかきた道を辿ることになります。そのことをタイム誌が知らぬはずはありません。

ですから・・・外務省の異議には、見出しの表現は和らげることで収めながら、紹介文では「岸田首相が長年の平和主義を捨て去り、自国を真の軍事大国にすることを望んでいる」との表現は維持しています。冷静な分析であり記事です。
しかし、であれば、記事にはもうひと言、岸田首相の変節の裏には、米国との固い同盟が横たわっていると書き込むべきではないでしょうか。

それにしても・・・東アジアがきな臭い。北朝鮮の頻発するミサイル実験、
中国の台湾有事に備えるためという暗黙の軍事費倍増にもう少し目を向ける必要があるのではないでしょうか。Goto

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