緊要

13.2兆円の補正予算が成立しました・・・・

財政法では、補正予算を「緊要な経費」などに限るとしている。
物価高に苦しむ低所得者への給付金はそれに該当するのかも知れない。
でもその額は2.7兆円に過ぎない。でも総額は13.2兆円である。

では残りの10.5兆円は何に使うのか?それも総額の7割が借金である。
参院での成立時、財務相の顔に笑顔はない。むしろ悲壮感が漂っていた。
考えてみてほしい、13兆円という額は東日本大震災後などに匹敵する額である。その緊張感があるとはとても思えない。

もちろん、コロナ対策時は70兆円を超える補正を組んだが、今の状況下で13兆円の財政出動が必要なのか?首相は産業を支援する基金の積み増しや公共事業の
継続に兆円単位の額を注ぎ込むのが「緊要」と強弁を重ねるが。
疑問は拭えない。

因みに「緊要」とは非常に重要なこと。差し迫って必要なことを意味する。
朝日的なモノ言いになって自分でも笑っちゃうのだが、首相の判断の根っこには
自らの権力維持や選挙対策があるのではと思わざるを得ない。政策より政治だ。

それと、高騰する資材や建築費の値上がりに予算が不足。万博に追加負担分を計上、予算をつけてもらったからとはいえ日本維新の会が賛成に回ったこと、背に腹はかえられぬのは分かるが・・・地域政党の域は越えられない感が残る。

国民民主もトリガー条項の発動を検討せよと首相が指示したことを大義名分として賛成に回るとは・・野党の本分を忘れたように、政権に擦り寄っていくとなると、前原代表代行の離党に発展するのも致し方ないか。

強いものが益々強くなり、弱いものは分裂を繰り返す。
やはり政局では自民党が、まだまだ一枚上手ってことになろうか。
そうなれば、国会がその役割を果たせなかったという点では、野党第一党の立憲民主党にも責任の一端はあると言わねばなるまい。

それはそれとしても、首相が打ち出した来年度の定額減税、政策の目的は
物価高による低所得者対策なのか。防衛増税と整合性はあるのか。
即効性のない減税にこだわるのはなぜか・・そんな疑問が湧く中で・・

自民党の税制調査会が法人税の引き上げを検討し、国内の投資を促進する
新たな企業減税の創設を考えるべきと言い出した。政府が企業に賃上げを
迫ることで、物価高によるインフレの解消に努めるという覚悟とは矛盾では
ないか。こうなると支離滅裂の政策ってことになる。

岸田首相は補正予算成立後の会見で「デフレ脱却に向けての正念場を迎えている。このチャンスを掴み取らなければならない、という点で補正予算は国民にご理解を頂けたのではないと感じている」と語るが、何がチャンスなのか。それは自らの政権維持へのチャンスでしかないと思えてならない。どうも「緊要」の意味が理解できないのではないだろうか。Goto

コメント