レカネマブの普及は国策で対応すべきではないでしょうか?
暗い話なのか。それも明るい未来を予兆するのか・・・このブログで何度も取り上げたアルツハイマー病の新薬「レカネマブ」の薬価が決まるそうです。
公的医療保険で年内にも使えるようになる見込みです。
先行する米国では1人あたり年・2万6500ドル(日本円で約380万円)だそうですから・・・高額になることは間違いなさそうですが・・・そもそも初期の患者にしか効果がないと言われます。初期とはどの程度の症状を指すのか。それをいったい誰が判断し処方するのか。日本認知症学会がありますが、果たして専門医はどの程度存在するのか・・・
レカネマブはアルツハイマー病の原因とされる「アミロイドβ」を取り除き、病気の進行を抑えることを狙うのが目的の薬。ということはアルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)や軽度の認知症を特定せねばならない。つまりはAβの蓄積を確認する必要があるってこと。Aβの蓄積の有無は、PET(陽電子放射断層撮影)や脳脊髄液の検査で確認せねばならない。ということです。
関連学会の専門医で認知症の専門知識がある医師らが適切な患者かどうかを判断せねばならない。そんな専門医がどこにいるのか?それに治療は医療機関で2週に一度、1時間ほどかけて点滴するのが、副作用が懸念される脳内の微小出血や脳浮揚を早く見つけて対応するためMRI(磁気共鳴断層撮影)検査や画像読影が同時にできることも治療の要件になってくる。となると治療が容易ではない。
まぁ・・実態はそうなのだが。そんな小難しいことを言っていては、救える患者も救えない。要は・・・「物忘れが酷くなり、周囲もそれに気づく」「何度も同じことを言い、さっきも聞いたよねぇ」とか「いま何曜日」とか「正しい日付」がわからないなどの状態が頻繁に起これば、軽度の認知症にあたると言われているのだから。
それが店に自転車に乗って忘れて置いて帰るとなると中等の症状となり治療の対象でなくなるそう。この線引きってとても難しくないですか。忘れるといえば、財布やメガネをどこに置いたかを忘れるなんて、我々の日常茶飯ですから。それも認知症の中等だとすれば、もう手遅れってこと。
でも最終的には軽症の患者を判断するは医師ってことになる。だったら、医師が判断できるガイドラインを早急につくるのが先ではないか。もちろん、患者と患者の周りの人たちでも認知症の症状が判断できるマニュアルがあればもっと良い。・・・そう思うのだが、日本認知症学会の理事長は「治療を担える専門医を努力して養成していきたい」と悠長なことを言っている。
老年精神医学会理事長は「治療が必要な1年半同じ施設を使えば、すぐに専門施設がいっぱいになり治療を待つ間に進行して薬の対象外になる可能性が起こる」ので、国には柔軟な運用が必要だと求める。
考えてみて下さい。超高齢社会です。アルツハイマー症と認知症の違いはよくわかりませんが、高齢になれば大半の人が認知症になるのです。そのことの社会的損失は計り知れません。そんな状況を理解すれば、レカネマブの治療法の簡易化。薬価を安価にする。それは国策ではないでしょうか。Goto
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