独りよがりの広告が新聞紙面を飾るってことはなかったのですが。
先月下旬・日本海側を中心に大雪に見舞われました。
山陰・北陸・東北地方がこの冬いちばんの積雪に。日本列島で、最も日本海側と太平洋側の距離が短いのは福井湾から琵琶湖を通り伊勢湾に抜けるルートです。
山脈もありません。ですから、日本海側を襲った寒波はこのルート抜けて太平洋側に到達します。今回の寒波で滋賀県が大雪になるのも、関ヶ原で雪のため新幹線が速度を落とさざるを得ないのも、その地形によります。
しかし、大陸からこの寒波が押し寄せますと、
この地方の冬は峠を越します。寒波は北上します。
その結果、そうです。春が近くなるってこと。雪の量が少なくなったとか、マイナス温度があまり下がらないといった温暖化の影響は見られますが・・・樹木が芽吹き始めます。今日は2月1日・「如月」です。
如月の語源は寒さのために着物を重ねる・・・
「衣更着」からきていると言われますが。それは旧暦だから。
他にも、春めいて陽気が盛んになる時季を意味する「気更来」とも言います。こちらの方が・・・マッチしてますかねぇ。因みに2月の別称は「梅見月・初花月・雪消月など・・春を待ちわびる先人の思いが込められていますね。
2月1日と聞けば私は「立春大吉」が好きですねぇ。立春、いよいよ春か。そんな勢いを感じます。大吉、おみくじで、引き当てると幸運が舞い込んで来るように思いませんか。なんかやるぞ・・そんな思いが湧いてきます。
下の写真をご覧下さい。日経新聞1/24・25・26日・・いずれも8面に3日続けて掲載された全ページ広告です。24・25日のコピーは「明日へ」でした。何の広告なのかさっぱりわからない。二行の文字が並んでいます。それも文章の途中から途中まで・・・スポンサー名は表記してありますが・・よく知らない。余白をふんだんに使った大胆な構図・レイアウト・実に不思議な広告紙面だと思ったのですが・・・
翌26日も同じトーンでの紙面が。コピーは「明日の日本へ」となっている。私のように新聞命でも、同じ紙面を3日連続で掲載するなんて、広告予算が余っているのかなぁ?と思ってしまう。読者は3日間の広告を比べるほど暇ではない。この広告の違いに気づかないのではないか。いや、無視ですよねぇ。それが狙いってことはないハズ。新聞広告斜陽の時代に三連載です。
それも読者に無理にわからせよう。わかってもらわなくても結構だと言わんばかりに・・・批判的な物言いはやめよう。感謝だ。でです。紙面にはゆったりと曲がった二行の文字。一行は去年IP0を実現した企業名。もう一行はこのクライアントが目指していること・・だと思うのだが、それが書かれている。
随分と上から目線だとは思うのだが。そうなんでしょう。どんな広告を掲載しようが自由です。でもです。一つだけ、思います。この紙面って、26日から25・24日と日付を逆さまにしてしか意味が通じません。ということは、読者に理解してもらわなくても良いと・・・日経の広告局が判断したってことになりませんか?
私の時代には、広告審査室が機能していて、読者に理解できない紙面は御法度でした。随分、新聞社の横暴に泣かされましたものです・・・このような広告を掲載したいなどと難解な紙面を見せれば冗談じゃない。顔を洗って出直せ・・と一喝され、折角、読者の注目を浴びると必死で制作・スポンサーを説得したのに・・・突っ返されましたなんてスポンサーには言えない。広告局とスポンサーの板挟みで悔し涙を流したものです。
それが・・どうですか、読者無視。理解できる奴だけで良いというスポンサーの独りよがりの広告でもOKなのですから。新聞社も様変わりしたものです。
でもです。IT企業が新聞で自社の宣伝をする・・・これって実に奇妙な広告ですが、究極の紙とネットのハイブリッド広告と捉えてみましょうか。
立春大吉ですから。Goto
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