選ばれる国へ

日本で技術習得のために実習生になる人って・・・もういなくなるのでは。

移民と聞くと頭から毛嫌いする人たちがいる。これだけ労働力が不足してくると形振り構わず・・・規制を緩和し外国人を就労させろと産業界から声が上がる。さてどうするのか?現行の技能実習制度は「人材育成による国際貢献を目的としている」そのために本人が希望する転職は原則認められていない。

それでは就労者の権利が保障されない。なんとかせねばと政府は技能実習に代わる新制度の方針案を自民党の委員会に示した。その結果、本人の意向による転職を制限する期間を業種ごとに就労1年から2年の間で設定できるようにする。このまますんなり通れば、関係閣僚会議の決定を経て今国会への関連法案の提出を目指すことになる。

現行の育成就労は、3年間の就労を義務付ける。その間により技能レベルの高い「特定技能1号」の水準に育てることを目指す。その後、試験などを経て熟練労働者である「2号」になれば制限なく在留資格を更新でき。家族の帯同も可能になる。さらに条件を満たせば永住権も申請できるほか、高度専門職などに移行もできることになっている。

しかし、就労を3年間縛るのは長過ぎるのではないか。入管庁によると22年の技能修習生の失踪者数は9000人超にのぼる。外国人労働者の転職を認める国は少なくない。英国には制限がない。米国は移民局の許可を得れば良い。台湾やシンガポールは原則不可だが雇用主と本人の合意があれば認められる。

本人の希望で転職が可能になると、地方にとどまる人材がいなくなる恐れがあると一部の自民党議員が反対している。「1年では業種によっては十分な育成ができない」との正論もある。しかし、世界の人材獲得競争は激しくなっている。
労働者の権利を保護する動きは国際的な流れである。

とりわけ日本の人手不足は深刻である。正論が罷り通る現状ではない。同時に正論の背景には、なし崩し的に移民に繋がるのではないかとの懐疑的な味方もある。私は敢えて申し上げたい。技能実習に代わる新制度の方針案などと上から目線で外国人労働者を見ている時代なのか。そんな状況なのか。問うて欲しい。

私の知る限り、円安で賃金は目減りしている。規制によってがんじがらめにされる日本に働きに行くメリットがあるのか。3年縛りが1年になったからといって。彼の国では日本へねぇ?そんな疑問符が、実しやかに囁かれている。

現状はまだ日本に魅力があるだろう。でも時代はネット社会だ、日本の徒弟制度のような技術指導、研修が将来にわたりスキルになるのか?世界のGDPは上昇している。国民一人当たりの所得もうなぎ上りである。移民反対を唱え、労働条件を規制するのは良いが、外国人の方から「日本に移民」「日本に働きに行く」そんな人はいませんよ。と相手にされなくなる日が、そこまで来ていることに気づいた方が良いのでは。

日本国は世界第2位の経済大国でも無ければ、将来に希望溢れる国でもなくなった。新たな技術も何も生み出さない高齢者ばかりが優遇される超老人国家だ。
そんな国にわざわざ行って働いてみようなどという奇特な外国人はいなくなる。むしろ、自然環境は良いし、食べ物は美味いし、安全だから観光ぐらいなら行ってみるか程度の日本である。

今のピンボケした政治ならみくびられるのも時間の問題だ。
もはや日本は選ばれない国になろうとしていること・・
誰が自覚すれば良いのか。私か?あなたか?Goto

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