テレビ局の裏側に迫った痛快・池井戸潤ワールド
5月も終わりです。正月の餅がまだ喉につかえているのに・・
歳月人を待たずと申しますが。後期高齢者としては、もう少しゆっくりと
時が流れて欲しいと思うこの頃・・・
日本のテレビって、なんで正月は「走る」を番組にしているのかといつも思う。
元日のフジテレビニューイヤー駅伝に始まって、日テレの箱根駅伝。
それもご丁寧に朝の7時から2時過ぎまで、三が日の全て・・・。
そしてその後の番組が、サッカーにラクビー。日本人の正月ってスポーツ観戦で終わってしまうのではないかと思うくらいです。まぁ・・スポーツコンテンツが制作費が比較的安価で視聴率が取れるからなのですが。
ゴールデンウィークに何冊か本を楽しみましたが。何度か涙しながら(泣けるのは私のどこかに青春の血がたぎっているからかな)読んだのが池井戸潤さんの話題作「俺たちの箱根駅伝」(文藝春秋刊)です。
正月、別段見る気もなく付けてるテレビ。そこに流れる箱根駅伝。
マラソンもそうですが、なぜ、人は陸上の長距離レースを見るのか。極限に挑むランナーの姿に感動する。だから見る。まぁ。そうなんでしょうが、もう一つは抜きつ抜かれるシーン。前を走っているランナーが後続に抜かれる時の快感、その瞬間が見たくて見ている。嫌な性格だね。そんなところじゃないでしょうか。
ということは、残酷なシーンを期待して見ているってことかな。
まぁ。スポーツを含めて勝負事ってそんなところを楽しんでいるのかも。
「俺たちの箱根駅伝」さすが、池井戸ワールドです。箱根駅伝の見方が変わってしまいました。ネタ割れは控えます。ぜひあなたも・・・
私が感動したのは、テレビ番組のあり方です。箱根駅伝に賭けるテレビマンたちの葛藤。もちろん、小説です。フィクションですが。日テレの箱根駅伝に対する姿勢と申しますか。スポーツ番組への情熱、視聴者への想い。スポンサーへの配慮、そして視聴者と真剣勝負。
さらには、箱根駅伝ってこれで良いのかという問題提起。正月の朝、見るとはないしに見ている箱根駅伝の裏側が見事に描き出されている。青山学院の名物監督が実名で出てくるリアルさも含めて、ある意味、箱根駅伝は関東の大学の売名行為ではと思いながら、実は、それって日本社会の縮図ではとも思えた。
小難しい古典やハウツウ本も良いのだが。たまには痛快な小説も良い。
薫風・5月。スポーツシーズンです。大いに体を動かし健康であれ。
同時に頭にも活性化を与える本を開くのも良いですね。
池井戸さんってご存知だと思いますが、私のゴルフ・ホームコースがある
刃物の街・岐阜県の出身です。俺たちの箱根駅伝とは関係ありませんが。
私の場合、正月のみならず、週末にはゴルフ場を右に左に走っています。
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