利を得るに道あり

東京五輪・パラリンピックの闇・・・・

今年、パリ五輪・パラリンピック、多くの感動を残し無事に終了しました。
スポーツの持つ魅力に触れ、楽しませてもらいました。
その闇と申して良いのでしょう。コロナの影響で1年延期を余儀なくされた
東京五輪・パラリンピックをめぐる後遺症と言える談合事件の論告求刑公判が18日にありました。

判決は来年1月30日、裁判所が国家を挙げて取り組んだ大型イベントの闇にどんな判断を下すのか。注目したいと思います。裁判って時間が掛かり過ぎますので、どんな事件だったのかも記憶に残っていないかも知れないので、検察側の主張で整理してみます。

「全世界が注目する国家的プロジェクトで、公正かつ自由な競争を骨抜きにした」として独占禁止法違反として法人・大手広告代理店「電通」に罰金3億円・担当責任者だったスポーツ局長補に懲役2年を求刑した。重罪です。

独禁法違反事件は二つに分かれています。
五輪を円滑に進めるため、開催前年に催された競技会場ごとのテスト大会。
組織委員会は、その計画立案業務(契約金5億7千万円)を競争入札で発注。落札業者らは、その後のテスト大会実施と本大会運営の業務(431億5千万円)を入札を伴わない随意契約で受注した。この二つです。

つまり、テスト大会の計画立案業務を受注した電通は、本大会運営の業務も必然的に受注した。検察は、電通がテスト大会の計画立案業務で談合したことを認めたので、本大会業務も談合によって決めたと主張。電通は随意契約だったので本大会業務については「独占禁止法に触れる事実はない」と主張した。

まぁ・・・どう考えても、入り口で談合して、その状態のまま、中身に入ったのだから、談合がそのまま生きているとする検察の主張が妥当だと思うのが常識です。ですから、刑罰の重軽は別として、不当な取引制限の合意があった事実は免れない。裁判です。法に照らして厳正な判決がなされるでしょう。

問題は、国家的なイベントに対応能力のある民間企業は「電通」しかないとして五輪組織委員会は発足した時点から電通に、運営を委ねたことです。まぁ、電通に丸投げしたのです。電通も五輪誘致から主体的に関わり、決定以降も組織委員会に人材を送り込み、運営に主体的に取り組んだのです。

大会の運営からスポンサーの獲得、国民への大会喚起まで、ひょっとしたら選手選考まで電通が裏で仕切っていたのです。ですから東京五輪はそもそも電通五輪なのです。政治的にも国の中枢にがっちりと民間企業の電通が入り込んでいたのです。それを是とするか否とするかは別問題です。そうしなければそもそも日本で五輪ができなかったのですから。

私の感覚では、談合事件の本質は独禁法違反ではありますが、電通が巨大になり過ぎたことへの警鐘ではないかと思う。それと電通に対して五輪は基本血税で開催されるのです。そのことに対する意識が電通にあるのか。いつの間にか、自分達しかやれる業者はないとの驕り、不遜が企業内に蔓延してしまって、税金d五輪は運営させることをどこかに置き忘れてしまって俺たちが自由になんでもできると、そんな思い上がった巨悪・電通を懲らしめる意味合いもあるのではないか。

考えてみて下さい。電通しかできないのです。
談合などやる必要などどこにもないのです。同業他社に仕事を分け与えてやる。
俺が業界の王様・盟主などだと、権威を振り翳したかったのではないでしょうか。であるとすれば情けない話です。

その結果、事件を引き起こし、広告業界の信用・信頼が地に落ちたことすら自覚していないとすれば、検察側に断罪されても致し方ないのではないか。
どんな業界のどんな企業であっても、企業たるもの「利を得るに道あり」ではないかと思う。Goto

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