異論のススメ

石破さんの考える保守とはなんぞや・・・

朝日新聞って、変わってしまったのか。それとも微妙に変化しながら生き残りを賭けているのか?そうでない限り・・・オピニオン&フォーラムのコーナーで「保守の立場」で様々な事象を述べる思想家の論を取り上げることはない。

まぁ・・・朝日も取り上げねばならない程に、自民党の「保守」たる概念が壊れてしまっているからなのかも知れない。保守とは何か。少なくとも自民党には「国防の米国依存と経成長追求をする」と「憲法改正・自主独立」という二つの方針が混在する。これは矛盾している。

だが自民党が戦後一貫してとっている方針は「平和憲法・日米安保体制のもとで経済成長」するという「吉田ドクトリン」が戦後の日本の基軸になっている。
ということは、「一身独立・一国独立の精神」を保守と捉えるならば、吉田ドクトリンの「対米依存」は保守とは言い難い。

石破さんが日米の地位協定を見直し、本気で米国に自衛隊の基地を設けると主張しているが、それが実現するようなことになれば、これこそ「保守」であるが、「吉田ドクトリン」以外に選択肢のない現実では如何ともし難い。

話が逸れないうちに、保守とは何かを考えてみる。
日米同盟は相互の軍事的協力体制のみならず、両国が協力して「世界における課題」に対処するためにあるとしている。日本は米国流の歴史観に飲み込まれ日米同盟がある。米国の価値は「リベラルな価値」であり、全体主義の国はリベラルな価値の破壊者である。

だから普遍的な米国流のリベラルな価値を守るためには「戦争」も致し方ない。この考え方が米国を支配する「ネオコンサーバティブ(新保守派)」である。自民党のいう保守とは、この米国の歴史観を受け入れている。これが保守とは思えない。

むしろ、米国の追従・従属することが保守となっている。であれば、自民党の保守とは米国の属国・もしくは従属国であると言っても良い。であれば、51番目の合衆国の州になれば良いってことにならないか。それしか生きる道がないならばである。

保守とは何か。「保守とは抽象的な理念やイデオロギーではない。
人の生活であり、生きていく上での態度である。それは「見知らぬものより慣れ親しんだものを好み、有り余るものよりも足るを知ることである。完璧なものよりも重宝なものを大切にし、理想郷を目指すのではなく、現在の笑いを好むもの」である・・・このような「保守的な態度」こそが、我々の社会生活を真に信頼できるものにする。それが保守である。

となると、「吉田ドクトリン」を基軸とする自民党政治は保守ではない。
グローバル競争とイノベーション競争がもたらす絶え間ない「変化」と「慌ただしさ」を演出する自民党に「保守」などない。石破さんは「改革」など声高に語らずとも良い。「この国が守るべきものは何か」を追求して欲しい。

地位協定の見直しからと朝日が言うのなら、それはそれで朝日が保守を論じることがわからないではない。Goto

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