インドの酒市場

果たして焼酎・日本酒が売れるでしょうか?

私のウォーキング仲間・そのひとりにインド人(48歳)がいる。
彼は実に真面目で、最近、あちらこちらで目にするようになった、
インド人の手によるインドカレーの専門店で頑張っている。

来日・25年。日本語は堪能、日常会話には困らない。インドに暮らす家族への仕送りを欠かさず、2人の子どもを立派に育てている。お祝い事があったので
二度ほど会食をした。ヒンドゥー教の彼は酒を飲まない。私が二日酔いでウォーキングをしていると・・・必ず「酒は毒だ。飲まぬが良い」と気遣ってくれる。

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、インドで人口の8割を占める
ヒンドゥー教。彼らは酒を飲まない。でもです。考えてみれば2割は他の宗教だから飲酒を法度にしていない。インドの人口は世界一14億人。2割でも2億8千万人だ。その数だけでも日本の2倍以上になる。

近年、食文化の多様化などを背景に、インドでの酒の需要が急増している。大きなマーケットである。日本の酒造メーカーも商魂逞しい。インドをターゲットにしない手はない。もちろん「飲酒が好ましくないとの価値観が根付く禁酒州」もあるし「州によっても税法が異なる」流通網を広げるには、煩雑な手続きが必要になる。容易ではない。

国際的な調査会社によると、インドはアルコール飲料の市場自体は世界で6番目に大きい。英国の植民地時代の名残からウィスキーの人気が根強い。近年は若者を中心に好みの多様化が進む。「つまみと酒でもてなす文化」もあるそうだ。

そこがチャンスだと・・・鹿児島のイモ焼酎のメーカーが5月、4商品をコンテナ単位で初めて輸出した。またこれに先立つ2月、秋田の酒造会社が、手頃な価格で人気の日本酒を初めて輸出した。ターゲットは首都ニューデリーやムンバイなど、宗教的な制約に固執しない若者たちと非ヒンドゥー教徒だという。

さて、どうなるか?期待したい。
日本といえば、良品質で廉価な工業製品を大量に輸出する国だ・・などと考えているのは、ひょっとしたらノスタルジーで生きる日本の高齢者だけかも知れない。もはや、日本から輸出する世界を席巻するような工業製品はない。むしろ、農作物や加工食品といった文化に根ざした商品や物流のシステムなどが重要な輸出品である。

それはそうとして。友人のインドはいう。「カレーを食べにくる人(もちろん日本人)で飲酒する人はほとんどいない。カレーとお酒はマッチしないのか。それとも宗教上の理由かと」首を傾げる。だってその店には輸入品のインドビールが置いてあるのだが・・・誰も飲まない。では私が・・・Goto

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