国民詩人・谷川俊太郎さんを悼む

「食べ物」にまつわる詩・谷川ワールド・・・

冬の定番料理っていえば「鍋」ですかねぇ。
温まって良いのですが。私はやっぱりスタミナが付く「肉」がいいですね。

「国民詩人」谷川俊太郎さん(92)が鬼籍に入られました。
新聞各紙は「平易な言葉で深遠な世界」に導く谷川ワールドを絶賛しています。
私は「新聞命」ですから、月に一回・朝日新聞に掲載される谷川さんの詩に目を通し、うぅ〜んと唸りながら親しませてもらいました。

70年以上にもなる詩作です。坂村真民さんの詩のように読んだ訳ではありませんが・・「俗は大事」を貫いた詩集は「20億光年の孤独」に始まり、前衛的な哲学的な散文詩「定義」や庶民的な「世間知ラズ」、物語詩「詩人の墓」など実に多様な角度で綴る・・・どの詩も凡人には計り知れません。
称賛のしようがないっていうのが私の正直な谷川評です。

そこでです。谷川さんには「食べ物」をテーマにした詩集はないのか。
あれば、なんとなくですが・・同じ世界を共有できるかもと・・・

そんな詩集がいくつかありました。その一つが「あめ玉」です。あめ玉を通して子供の頃の思い出や感情が鮮やかに描写されています。「ぼくのお菓子」っていう詩も。「ぼくのお菓子は/ぼくのお菓子で/誰にもわけてあげない」と子供らしい独占欲と愛着が表現されています。

他にも「朝食」という詩では「トーストを焼く匂い」「コーヒーを淹れる音」など朝食の風景がイキイキと描かれています。デザートが「いちご」だったのでしょうか。「真っ赤ないちごが朝の光の中で輝いている」そんな表現をしています。谷川俊太郎の食べ物をテーマにした詩は、私たちに生活の豊かさを再認識させてくれるモチーフです。凡人の心にも響きます。

北海道に、この冬いちばんの冬将軍が大量の雪を運んできました。
滝川・旭川市はこれが根雪になるのでしょうか。
来年の春まで雪との闘いが続きます。
北海道の仲間たちには負けないで欲しいと願います。

讀賣新聞を捲っていましたら・・・旭川の駅近く「大雪地ビール館」のジンギスカンが美味いとの記事が。そこに中央が盛り上がったジンギスカン鍋、
その鉄鍋に脂を挽き/玉ねぎ、ピーマンなどの野菜を並べ/ジューッとしてきたら艶やかで厚みのある「生ラム(肩ロース)を焼く/中火でじっくり焼くのがコツ。色が変わり程よいところで独自のタレをたっぷり付け、頬張る/美味い。

私はジンギスカンが大好きだ。北の大地の仲間たちとビール片手に
ワイワイ言いながら食べれば最高の幸せである。寒さなんかたちどころに
ぶっ飛ぶ。谷川翁なら。この情景をどう表現するのか。
まさか、ジンギスカン鍋は嫌いだ。などとは言わないと思うが・・・
ご冥福をお祈り致します。後藤拝

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