太陽の塔

重要文化財の指定価値があるのか?文化庁が試される・・・

私が毎朝、ウォーキングの途中で実施する「ストレッチ」の場所は
岐阜市北部にある総合運動場「メモリアルセンター」です。
ストリートストレッチ場と言われるそのエリアには、岡本太郎が制作した
「太陽の塔」ならぬ「未来を拓く塔」なるモニュメント(写真参照)がある。

そのメモリアルセンターが完成した1988年。完成イベントを兼ね
岐阜県が主催した「中部未来博覧会」開催記念として岡本太郎に依頼したモノです。1970年の大阪万博の二番煎じゃないかと思った。
当時は高度成長期でもあり日本中が元気、あちらこちらで博覧会イベントが開催されていました。懐かしいです。

この度、大阪万博の象徴「太陽の塔」を重要文化財指定(重文)にしようと・・
所有する大阪府が報告書を作成、動き出しました。アート作品でもあり
建築物でもあるこのヘンテコリンな塔が重文になるか?興味があります。

太陽の塔、高さ70メートル・胴体の太さは直径20メートル。
まさに怪鳥のように聳える。この塔って岡本太郎のアート作品だが、中身は
テーマ館になっている建造物。胴体の内部は「生命の進化」を示す
「生命の樹」などを示す展示が行われている。(2018年から内部は公開)

20年には「再現することが容易ではないモノ」と評価され、
重文よりも幅広い国の登録有形文化財に指定されている。

大阪府の重文指定への報告書では、「技術史的観点」「都市計画的観点」
「芸術的観点」からして文化的価値があると訴える。
建築技術としては芸術家による造形を実現するために、鉄筋コンクリート造りや
鉄骨造りといった複数の構造を組み合わせ、さらに改修では先進的な解析や
耐震補強などを行なったことを高く評価し、戦後建築の保存活用の「範」となるからだと。

芸術的には縄文時代の人間の精神性などを備え、パブリックアートとして
大阪万博を象徴してきた価値があるとしている。
重要文化財は大きく美術工芸と建造物の二つに分かれているが、
太陽の塔は両者の側面を併せ持っていると言うのが大阪市の主張です。

折しも、来年4月・45年ぶりに関西・大阪万博が開催される。その宣伝にも影響を与えることになるこの「太陽の塔」重文に指定。どうなるか・・文化庁が試されている。でも、あの爆発だ、爆発だと叫んだ・・岡本太郎が国による格付けなんか欲しがるかどうか・・・

もしも重文に指定されれば、岐阜のメモリアルセンターにある
岡本太郎の「未来を拓く塔」も岐阜県が申請すれば、芸術的価値があると
評価されるのだろうか・・・私的にはどっちらにも、そんな価値があるとは
思えないのですが・・・Goto

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