ノージャッジメント

日本の小説が海外で売れているそうです。

今日はちょっと考えさせられる話をします。
私の手元に・・・今日は、今日はと持ち歩く雑誌があります。
文藝春秋の3月号・1750円です。

あえて値段を書いたのは、通常なら1000円なのですが・・
特別価格だからです。理由は今年の芥川賞受賞作・二作・安堂ホセ著「DTOPIA」と鈴木結生著「ゲーテはすべてを言った」の全文が掲載されているからです。時間が取れたら読んでやろうと・・・カバンが膨れ、重いのに持ち歩いているのです。

笑話です。いつも持ち歩いているのに、先般、千葉に出張。その折、
移動中に時間があったのですが・・・その時だけ・・重いから、別の文庫本に
と。カバンから外したのです。しまった。と思ったのですが、後の祭りでした。
そういうことって、よくありますよねぇ。今日はなんとしてもと思っています。

因みにですが、文藝春秋は私の愛読誌です。ですから、年に2回の芥川賞の受賞作品は40年以上毎回読む機会に恵まれます。一時は「老後ばかり」をテーマにする時期がありましたので、定期購読はしているのですが、文藝春秋も焼きが回ったのではと、興味を失った時期もありましたが、芥川賞が決定しますと、毎回掲載されるので・・かろうじて購読を続けてきた。そんな経緯もあります。

その芥川賞も、このところ、この作品がか?と疑問を持つこともしばしば。
そんな時は選者の質が下がったのだと思っていました。現在は小川洋子・奥泉光・川上弘美・川上未映子・島田雅彦・平野啓一郎・山田詠美・吉田修一・松浦寿輝の九委員で構成。でも考えてみますと。それは私の感覚が鈍ってしまい、若い作家の感性についていけなくなったからだと思っています。

出版不況が叫ばれて久しいですね。
最盛期に比べると6割減。そんな数字を聞かされると、出版業界も淘汰・再編の時代に入った。そう思わざるを得ません。そんな折、こんな話を。
海外で日本の小説が売れているのだそうです。

英国では自国での昨年の翻訳小説売上上位40作品のうち、日本の小説が半分近くを占めた。書籍売上データを集めるニールセン・ブックスキャンの調査では、
昨年の同国内で最も売れた翻訳小説は、柚木麻子さんの「BUTTER」だったと。

44カ国で翻訳される村田沙耶香さんの「コンビニ人間」は世界的ベストセラー。有川ひろさんの「猫旅リポート」は2017年刊行の英語版が47万部。
川口俊和さんの「コーヒーが冷めないうちに」は44言語に翻訳され、シリーズ累計発行部数は650万部を記録。英国で最も売れた翻訳小説。

国内外で累計120万部超ベストセラーとなった雨穴さんの「変な絵」(双葉文庫)は各国で続々と出版されています。なぜ、日本の小説が売れるのか・・
「英語圏の作品は登場人物の善悪がはっきりしている。世界の読者は、主義や思想が全面に出ないノージャッジメントの日本の娯楽小説に真新しさを感じているのではないか」と翻訳者たちは語る。

なるほど・・・です。
雨穴さんの「変な絵」は「イラストと文章が組み合わさったスタイルの小説」
外国にはないスタイルだそうです。日本の出版界の創意工夫の現れですね。
本が売れない、なんとかせにゃともがく出版界の知恵です。

私は思うのです。日本人が本を買わなくなった本当の理由はコンテンツが甘いのではないかと。でも海外の人たちには、その甘いコンテンツでも文化の違いでめずらしがられて売れるのではないか。そう考えると、もっとコンテンツを練れば、日本で売れない売れないと言ってないで、海外で売ることを考えるべきではないでしょうか?

それにしても「コンビニ人間」以外は、私も読んでいません。
まずは・・・文藝春秋の芥川賞作品から・・・Goto

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