鶯の谷渡り鳴き

何事も首を傾げることがあれば考えてみる必要がありますね。

「ホーホケキョ」・・今年もウギイスの鳴き声が聞こえる季節に。
早朝・ウォーキングで通る道すがら「ホーホケキョ」と鳴けない
「ホーホーケチョチョ」などと鳴く、まだ若いかなと思わず笑ってしまう。

私が通勤する金華山の麓に鶯谷という地名がある。金華山と水道山の谷、
隊道となっており、トンネルが2本通っている。その辺りでも毎年、この季節になると鶯の「ピルルル・・・ケキョケキョ・・・」と鳴く声が聞こえる。

まさにオス鶯が「谷渡り鳴き」をしながら仲間に危険を知らせる「警報」として鳴くから鶯谷の地名がついたのではと教わっていたのですが。世の中には
ウグイスの鳴き声を専門に研究する人がいるもので・・・それは違うと。

「ホーホケキョ」は求愛や縄張りの主張を意味することで知られるが、「ピルルル・・ケキョケキョ」の「谷渡り鳴き」は未熟なオスの発声練習でもタカなどの捕食者や人間の存在を知らせる「警報説」ではないそうです。
そもそもが実際に検証した研究はない。

研究者が、谷渡り鳴きをするオスの割合や頻度などを調査した結果。
越冬をしないウグイスは春先にまずオスが来て縄張りを作り、その後に
メスが来て繁殖する。メスが来る前の5月中旬ごろまでは、谷渡り鳴きをするオスは2割未満だったが、メスが来た後は7割以上になった。メスが来る前は5分間に1〜9回だったの対し、渡来後は1〜20回と頻度が高まった。

また、オス1羽を2日間観察し続けたデータを分析すると、谷渡り鳴きをした場所はメスがいる地点に集中。オスが鳴いてもメスは逃げなかったことから、
谷渡り鳴きは警報ではなく、メスへのアピールとの仮説を提唱している。

ヘェ〜って思いませんか。
ウグイスの「谷渡り鳴き」は鳥類の専門書によれば、鷹や鷲などの捕食者や人間の存在を知らせる「警報説」が採用されているのに、その説って正しいのか?と疑って自ら山に籠って調査・研究し、別の仮説を立てるのですから・・

研究者はいう。捕食者や人間がいる時にも鳴くことがあるのは、
危険が迫る中でも余裕で逃げられる優れたオスであることをメスに誇示している可能性がある。「今後は谷渡り鳴きでつがい相手を得ることに成功しているかどうかを調べ、提唱した仮説を検証したい」と意気込む。

そうなんですねぇ。
専門書に掲載されていることが正しいと思い込むのは簡単ですが。
でも首を傾げるようなことに出会えば、自分なりの検証をしてみる・・
そんな努力が、新しい発見になり、己を磨くことになるのではと思うと、
ただ漠然と物事を見ていてはあかんと知る。

岐阜の鶯谷には立派な私立高校がある。新調した制服を纏って・・
若い鶯たちが希望を持って登校する。がんばれ・・Goto

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