中国に対する偏見を捨てろ・・・正面から真摯に向き合え・・
私の持論です。日本人はどこかで中国をまともに見ていないのではないか。
教育の問題が悪いとは思わないが。正しく認識できない中国観になってはいないだろうか。とりわけ、戦後高度経済成長の幻想に酔っている人たちには。
中国に関して2題申し上げてみたい。
一つは経済。「彼女経済」の拡大ってご存知ですか?
中国の経済成長の象徴です。消費意欲が増す女性向けの施設や
商品を扱う市場、それが「彼女経済」です。
驚くのはその市場規模です。約10兆元(約200兆円)と推計され
一大市場として拡大を続けています。この市場、米国との関税問題など米国との貿易摩擦が続く中、地方政府は低迷する経済の後押しに向け活用に動く。
「彼女経済」の概念は女性の高学歴化や給与の向上による女性専用の施設や
商品を扱うこと(パステルカラーのバイク・運転席に化粧直し用のライト付き鏡を備えた自動車などが典型)で「経済力を持ち、美や健康に気を使う女性」たちの消費意欲を刺激する経済。なるほどと思うのだが。その規模が半端ない。
これが中国国内市場の力です。侮ってないか。日本人。
もう一題は習近平率いる中国共産党の対米政策である。
トランプが対中関税を145%から115%に引き下げた。
800ドル以下の小口貨物に評価額の120%か1件100ドルの関税をかけたが、
これも54%に引き下げた。中国からの応戦に再反撃できず押し切られた。
中国はトランプの攻勢にディール(取引)ではなく徹底抗戦で対抗した。
トランプが関税を引き上げるたびに、同水準で応じた。トランプの頭には
4年前の中国がそのままだったのだろう。
中国の強気の背景は習近平国家主席が第一次トランプ政権の貿易戦争以降、
7年越しで進めてきた備えがあったから。それは「米国なしでも生きていける経済」を目指す構造転換だ。現実は貿易の米国依存は年々増え続けている。しかし、個別に見ると食品分野の輸入では米国比率を減らし多角化に舵を切っている。
先端分野の対中禁輸に備え「科学技術の自立自強」の号令で産業構造の転換も急速に進めてきた。同時に労働集約的な輸出型経済からの脱却にも狙いを定めてきた。そして、中国独特の思想・兵法といった方が良い。「自ら傷を負っても相手より長く耐えることができれば勝てる」という兵法を用いている。
さらに奥が深い。このチキンレースは26年秋の米国中間選挙という「民主主義の締め切り」まで持たせれば良い。それでもダメならその後、大統領選まで持ち込めばトランプはいない。実に強かな戦略ではないか。
もう少し申し上げよう。
超高関税が続いたまま、クリスマス商戦に突入すれば、
中国から輸入される雑貨。米国の消費者にとって「品不足」が現実化し、
トランプ関税の失策を目のあたりにする。そうなれば、共和党に最悪の事態が起こらないわけではない。
中国はロシアのウクライナ侵略で米国がロシアに科した経済制裁を研究している。だから何枚ものカードを用意している。対米依存からの脱却が習近平にとって強い意志を持った取り組みであることがわかる。
そうなのです。日本人が持っている中国観は全くお門違いなのです。
中国はもはや日本など全く相手にしていないし、米国を正面に据え、
あらゆる角度から分析し、世界覇権の道を進んでいるのです。
そのことに気づいているのかどうか?私には分からないが。
中国の実力を冷静に見つめる。変な感情論を振り捨てる。
もっと真摯に向き合わねばならないのではないかと思う。Goto
コメント
こうなったら脱米入中ですね。