郵便民営化をやり切れ。

覆水盆に返らず。延命策はあかん。

改正郵政民営化法が成立した。全国2万4000の郵便局網を維持するため、国が年650億円の交付金を出す。財源は政府保有の日本郵政株の配当金などだという。

しかし、私は首をかしげる。
郵便物はデジタル化によって年々減少している。手紙はメールへ、請求書は電子化へ、年賀状さえ激減した。経営環境が大きく変わった以上、従来の郵便局網をそのまま維持できなくなるのは当然の帰結である。

欧米も苦しんでいる。英国の郵便事業は民営化され、拠点の統廃合や業務改革を進めている。ドイツも民営化後、物流事業を中心に収益構造を転換した。米国郵政公社も慢性的な赤字に直面し、料金引き上げや合理化を続けている。どの国も「昔のまま」を守るために税金を注ぎ込むのではなく、時代に合わせて姿を変えようともがいている。

日本でも2007年、郵政民営化に舵を切った。あれから約20年。郵便事業は3年連続赤字である。現実は厳しい。だからといって、赤字になれば公金で補填するという発想はあまりにも安易ではないか。

今年は650億円。では来年は。再来年は。赤字が拡大したらさらに税金を投入するのか。
これでは民営化の意味がない。

政治はいつも「サービス維持」を口実にする。しかし、その裏には票と組織の問題が見え隠れする。自民党だけではない。野党もまた利害関係者の支持を失いたくない。だから抜本改革を避け、延命策に走る。

私は郵便局が不要だと言っているのではない。民営化を決めた以上、その覚悟を貫けと言いたいのである。

成り立たない事業は統廃合する。必要なサービスは民間が担う。金融機能は地域金融機関が補完する。物流は民間企業が競争の中で磨き上げる。政府の役割は事業を抱え込むことではなく、公平なルールを整え、公共性を監督することである。

改革には痛みが伴う。血も流れるだろう。しかし、その痛みから逃げ続けた結果が、今日の日本の長期停滞ではないのか。変化を恐れ、既得権益を守り、問題を先送りする。その政治姿勢こそが国力低下の元凶である。

郵政民営化に舵を切ったのである。ならば、やり切るしかない。中途半端な延命策こそ、国民への最大の背信である。Goto

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