昨年、花巻東高校野球部主将、米ジョージメイソン大学へ
今年も夏の甲子園、佳境である。素晴らしい試合の連続だ。何とも清々しい。高校球児が無心に白球を追う姿は、勝っても負けても胸を打つ。応援に駆けつけた郷土の皆さん。猛暑対策に腐心しながら大会を支えた関係者の皆さん。ご苦労さまです。皆さんのおかげで、日本中がひととき青春に帰ることができました。
高校野球は、日本の夏の風物詩である。改革も改良も必要だろう。しかし、大人の都合や保身で、高校野球に流れる精神まで捻じ曲げてはならない。
延長戦のタイブレークにも違和感を覚える私としては、ましてや七回制には反対である。プロ野球が九回制なのに、憧れの舞台を目指す高校生だけを七回にするのは筋が通らない。
試合時間を縮める前に、甲子園をドーム化してはどうか。聖地に屋根を設け、冷房を効かせる。選手も観客も応援団も安心して夏の選手権を楽しめる。球場を所有する阪神電鉄には、そのくらいの大胆な設備投資を期待したい。
はつらつとした球児を見ながら、
彼らの将来にも思いを巡らせた。
花巻東高校から米スタンフォード大学へ進んだ佐々木麟太郎選手は、今年、マイアミ・マーリンズからドラフト指名を受けた。甲子園から世界へ、新しい道を切り開いている。
そして、もう一人。昨年、花巻東の主将を務めた中村耕太朗さんである。背番号10の控え捕手。日本の大学やプロから注目されるスター選手ではなかった。それでも甲子園から帰ると英語を猛勉強し、自らのプレー動画を米国の大学へ送り、英語試験にも何度も挑戦した。
そして、全米大学体育協会(NCAA)最高峰のディビジョン1に属するジョージ・メイソン大学への進学を勝ち取った。野球を続けながら経営学を学び、「世界を笑顔にするCEO」を目指すという。
彼の助言は明快だ。「絶対に英語をコツコツやっておいた方がよい」
ならば、高校野球と英語教育をセットにしてはどうか。指導者自身も英語を学び、海外留学や米国大学への進学まで助言できる体制を整える。高野連が高校野球を教育の一環と言うのなら、勝敗の先にある人生まで導いてこそ本物ではないか。
甲子園はゴールではない。夢に破れても、野球で培った直向きさと英語があれば、世界への扉は開く。中村さんが教えてくれたのは、野球人生ではなく、人生を切り開く野球である。Goto


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